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ローカルを繋げてグローバルに
野本響子さんの「今、子供をどこで育てたらいいのか」という記事を読み、その中の「ローカルか、グローバルか」という項目で特に考え込んでしまいました。
「グローバル」って使いやすい言葉ですけど、実際「グローバルな子育て」って何でしょうね。
ちょっと寄り道して、日本人が考える「グローバル人材」の定義を調べてみました。
文部科学省の資料(PDF)によると、
要素Ⅰ: 語学力・コミュニケーション能力
要素Ⅱ: 主体性・積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感
要素Ⅲ: 異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティー
こういった要素を兼ね備えた人材を、「グローバル人材」と呼ぶそうです。
今の日本の公教育だと難しそうなものもありますが(チャレンジ精神とか)、べつに海外生活の経験は問われていませんね。
例えばですけど、英語を使って日本とどこかの国をつないだらグローバルになるんでしょうか。
上記の「要素Ⅲ」にもありますけど、そうなると異文化・異国の商習慣に対する理解が大切になりますよね。
卑近な例で恐縮ですが、私の夫は今、日本・イギリス・北アフリカをまたいで仕事をしています。これは、北アフリカの経験が長く、現地スタッフの懐にも深く入り込んでいる彼だからできると私は思っています。彼らの宗教、文化、(アラビア語は不完全でも英仏)言語を理解し、しっかり現地にコミットしているからこそできること。そう、現地で人材がローカライズされているんです。
あくまで私の個人的な意見ですけど、ローカルとローカルの点と点を繋いでいくことでグローバルが生まれるのではないでしょうか。点を線に変え、線を面に変えるような。その面が増え多面体になり、やがて球に近づく。
だからグローバルになるには、ローカルとのコミットが重要になるんじゃないでしょうかね。グローブ(地球)は、ローカルの集合体ですから。
いま我が家は、なるべくオランダにコミットした教育を子供に受けさせています。なるべく高校まではオランダに居させてあげたいと考えていますが、将来彼女が何処に住むことになるかは分かりません。けれど彼女がどこか他の国に移住した時も、「自分なりにコミットしてきたオランダ像」を持てると思うんです。それを元に、オランダ企業相手にビジネスもできるのではないでしょうか。
思い込みは危ないですが、「オランダに関してそう思う」根拠を言えるでしょうし、分からないことがあっても、ならどうすれば良いかの判断も下せると思うんです。
そしてオランダにコミットした経験が、適応力や柔軟性として、次の国でも生かされるのではないでしょうか。
そして蛇足ですが、日本人としてのアイデンティティに関しても、一応怠らずに日本語教育や歴史の勉強などはさせています。
ちなみに前述の「要素Ⅰ」の「語学力」の部分ですが、これは一般的に英語のことを指しますよね(それにプラスで、ビジネス対象国の言語など)。
先ほどの文部科学省資料によるとオランダは、非英語圏で世界一の英語力を誇ります(北欧諸国とランク入れ替わることもありますが)。なので、オランダで真面目に勉強していれば、英語力に関してはある程度のレベルになってくれるのではと楽観視しています。
その語学力(日蘭英)を持って、どこか自分の好きな場所に飛び立っていって欲しいものです。
ここまでわかった風に書いてきましたが、子供はまだ10歳なので、私も手探りの真っ最中です。けれど今は、「ローカル(オランダ)へのコミットと日本人としての基礎教育」をメインに子育てをしていこうと考えています。幸い娘は、どちらも楽しんでやってくれているので、しばらくはこのまま様子を見ていきたいです。
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