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COTレポート(1月7日時点):BTC先物

対象商品:CMEビットコイン(BTC)先物

チャート:TradingView

1月13日に公表された1月7日時点のCOTレポートの内容は次の通りです。

出所:CFTCより執筆者作成

Open Interest(建玉:OI)は、ポジション数を反映した指標ですが、前週から1,186枚増加しました。BTC先物市場は10万ドルを超えていたため、大量のポジションが整理されていましたが、その動きが終焉した可能性があります。

出所:CFTCより執筆者作成

LEVERAGEDの投機筋の動向がBTC先物市場を分析するうえで重要なカギとなっています。このグループは現物のBTC市場での取引が圧倒的に多く、BTC先物市場ではヘッジを目的とした運用が目立ちます。そのため、投機筋がBTC先物を売りヘッジしているときは、BTCが上昇相場を演出しているときです。そして、彼らのネットショートポジションが減少したときは上昇相場に歯止めが掛かり、下降相場に転じるシグナルとなる可能性があります。

ここ最近、投機筋のネットショートポジション数は減少していましたが、先週、彼らのネットショートポジションが増加しました。

出所:CFTCより執筆者作成

重要なのは、投機筋のネットショートポジションの枚数そのものではなく、建玉(取組高)に対するネットショートポジション率の変化です。これは、BTC先物市場への影響力はポジションの変化率で決まるためです。

出所:CFTCより執筆者作成

投機筋は、ここ最近、BTC(現物)市場で利益を確定させるために買い持ちを整理した模様です。このため、現物市場でのBTC価格が下落し、それに連動してBTC先物価格も下落しました。しかし、BTC価格が下降しているにもかかわらず、取組高(総建玉)に対するネットショートポジション率は増加しています。これは、投機筋が大幅な下落に備えて売りヘッジを実行している可能性が高くなっています。

チャート:TradingView

ここで、日足のBTC先物チャートをテクニカル指標のMACDで分析したところ、MACDの2本は下降し、上昇から下降トレンドへ移行する可能性が高まっています。

チャート上に記したギャップが8万ドル近辺にあり、ここまでBTC先物が下落する可能性も考えられます。ギャップとは、価格が急激に変動した際にチャート上に生じる空白地帯のことです。テクニカル分析において、ギャップは価格がその方向に動き続ける可能性を示唆するシグナルとして解釈されることがあります。

現在、BTC先物市場における上昇トレンドが下降に転じる可能性が極めて高まっているなか、投機筋は先行してこの二週間、売りヘッジを実行しているため、8万ドルを割るのは難しいでしょう。しかし、投機筋の動向、テクニカル指標、チャートパターンなどを総合的に判断し、今後の価格動向を注意深く見守る必要があります。

分析者:なりた・ひろゆき

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