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【No.12】採用工学のススメ ~グループディスカッションの合否に最も影響を与えるものは何か~

No.12

━━━━━━━━━━━━━━採用工学のススメ━━━━━━━━━━━━━━━━

    グループディスカッションの合否に最も影響を与えるものは何か

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 みなさん、こんにちは。藤原ユウマです。今週も採用工学のススメをお読み頂きましてありがとうございます。

 さて、今週末はクリスマスですね。3連休となっている方もいらっしゃるかと思いますが、レジャー施設やレストラン等は予約過多で大変な混雑が予想されます。毎年思うのですが、個人的にはこういう時こそ、自宅や友人宅でのパーティに赴いたり、せっせと仕事をすることこそコスパの高い過ごし方なのではないかと思っています。何はともあれ、みなさま素敵なX'masをお過ごしください。

 Googleが完全自動運転車の開発を諦めるというニュースが目を惹きました。もしこのニュースが本当であれば、既に先日、Googleとともに自動運転車の開発に注力していたAppleもこの分野から手を引くことを発表しており、2大巨頭が揃って完全自動運転車の実現に辿り着くことはできませんでした。

 これによって、人類全体にとっても自動運転車の開発は暗礁に乗り上げたと指摘するメディアもあります。というのも、自動運転車の開発には、莫大な資金力に加えて、世界中からハイレベルなエンジニアを集める集客力、そして世界各地での自動車に関する規制・法制度をクリアできるロビー活動力など、幾つもの側面を複合的に満たさない限り実現できない高い障壁があるのです。こう考えると、AppleとGoogleと世界を牽引する2社が降りたことで、完全自動運転車が私たちの目の前を通る未来は大分先延ばしになってしまいました。

 というニュースの後、Googleは自動運転部門を「Waymo」として分社化させることを正式発表しており、自動運転車の開発を中止するのではなく、方向転換するというのが実態のようですね。

 今後は、運転をアシストする機能の開発に大きく舵をとるということで、これまでの研究開発成果が全くのムダに終わるということでは無さそうです。極めて高い情報技術力を誇るグローバルIT企業が自動運転車のハードもソフトも開発することは、一旦終焉を迎えたようですが、これからはまず属人的なドライバースキルに頼らなくても良いような制御システムや自動ブレーキの精度向上など部分的な自動化を目指して、ハードをつくる自動車メーカーと協業するなどしながら運転の自動化をサポートするというのが直近の落としどころなのでしょうか。

 また、運転席のない完全自動運転型の自動運転車の公道走行試験を認める全米初の州となったミシガン州ですが、残念なことに公道走行試験を申請可能なのは自動車メーカーに限られていることから、Googleが既存の完成車メーカーを買収するという可能性もありそうです。いずれにせよ、自動運転車の実現に最も近いGoogleがこのゲームから本格的に降りてしまうと、その完成は幻となってしまう可能性が高いので、現実的な落としどころを見つけながら1つひとつ課題点を解決していってくれることを祈りましょう。

Google: 完全自動運転型の自動運転車の開発を事実上の断念

http://business.newsln.jp/news/201612130559450000.html

アルファベット、自動運転車部門を分社化 社名は「ウェイモー」

http://jp.techcrunch.com/2016/12/14/20161213googles-self-driving-car-unit-spins-out-as-waymo/

 衝撃的なニュースですが、日本はついに1人あたりの労働生産性でお隣大韓民国に追い抜かれてしまう可能性があるらしいです。世界各国と相対的に比較すると、日本における生産性の低さや時代錯誤なワークスタイルは以前より自明で、あらゆるメディアで触れられてきました。

 振り返ってみると、今年一年は、ワークスタイルに焦点があたる年になりましたね。記憶に新しい電通の過労死事件や安倍政権の目指す女性が輝ける働き方の模索、ロート製薬が兼業を解禁したり、プライムフライデーの導入も控えています。ここまで様々な切り口から、今の日本における働き方にメスが入り、警鐘が鳴らされていることからも、やはり働いている人たちは現行のワークスタイルに大きな課題点を感じているのでしょう。

 シンプルに言えば「働き過ぎ」ですし、長時間労働や残業を美徳とする文化や不要だと思っても拒めない組織体制を抱える企業は沢山あるでしょう。その中で、感度の高い企業は新しい働き方を取り入れているようですが、もはや働き方は経営戦略なんですよね。従業員に対するパフォーマンスの側面をこえて、時間で評価するのでは継続的な組織成長が見込めなくなってしまっているだけです。激しい環境変化や人材確保の困難化などから、成果や業務効率を追求しなければ生き残っていけないという単純な理由でワークスタイルに注目が当たっているんですよね。

 例えば、日本より生産性の高いとされるフランスなどでは仕事は時間きっかりで終わらせて、すぐさま家に帰宅して、そのまま食事に3時間くらいかけたりします。家族との時間は尊いもので、仕事に命を捧げてしまう日本のニュースは、もはや狂気として伝えられてしまうんですよね。

 今回のニュースの大きな意味は、分かりやすいライバル関係にあるお隣韓国に負けるかもしれないという点です。他の国では、文化や産業構造の違いと言って流れてしまう話も、こと韓国になると政府の受け取り方も多少異なるでしょう。テクノロジーを活用しながら、時間ではなく成果をベースにした働き方に舵をきる会社が今後増えていくことは間違いないでしょうね。

日本は、ついに「1人あたり」で韓国に抜かれる

http://toyokeizai.net/articles/-/149624

 さて、それでは今週の内容です。

【今週の目次】

1.グループディスカッションの合否に最も影響を与えるものは何か

2.今週のトピックステーマ

3.気になるアイテム

4.お悩み人生相談 Q&A

5.読者感想コーナー

6.終わりに

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1.グループディスカッションの合否に最も影響を与えるものは何か

 先週まで数回にわたって「面接において何をアピールすれば良いのか?」という問いに対して、分析・解説を行ってきました。今回からは、その派生として、より具体的な選考場面における考え方や準備の仕方について考察していきたいと思います。

 今回のテーマは「グループディスカッション」についてです。特に新卒採用において出会うことの多い選考方法で、「グルディス」や「GD」なんて呼ばれたりしているものです。

 グループディスカッションとは、与えられたお題に対して、他の参加者と自由に討論し、制限時間内に結論を導くワークです。よくグループディスカッションは「正解がわからない」とか「企業から何が見られているかわからない」なんて言われています。攻略方法がわかりづらい代名詞として挙げられて、難攻不落な選考として受験者の前に立ちはだかるGDについて考察してみましょう。

 ちなみに、ここでいうグループディスカッションは、選考で初めて顔合わせした同席メンバーと制限時間15〜30分程度の短時間でおこなう議論を指しています。同じような類いのものに、グループワークというものがあるのですが、こちらは1Day短期インターンなど、もう少し長時間に渡るワークショップになっていることが多く、厳密に言うと選考通過のための特徴も違うので、切り離して考えたいと思います。

 さて、まずみなさんに1つ質問です。下記の質問に自分なりの答えを持っていますでしょうか。

 「グループディスカッションの選考結果に最も影響するものは何か」

 いかがでしょうか。個人的には「コレしかないっ!」と言えるような、絶対的な答えが存在していると思っておりまして、今回はそのお話をしようと思います。では、まず私の思う答えから。こちらです。

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