【No.7】採用工学のススメ ~候補者の「熱意」は幻覚を見せる媚薬~
No.7
━━━━━━━━━━━━━━採用工学のススメ━━━━━━━━━━━━━━━━
候補者の「熱意」は幻覚を見せる媚薬
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みなさん、こんにちは。藤原ユウマです。今週も採用工学のススメをお読み頂きましてありがとうございます。
さて、先週は何と言ってもトランプ新大統領の誕生のニュースが世界を揺らしましたね。アメリカにおいて、選挙前のメディアはこぞってヒラリー氏を推して、その優勢を報じておりましたが、結果的にはトランプ氏が激戦区での戦いに勝利して自由の国のトップの座を射止めました。
歯に衣着せぬ物言いや暴言も多いこと、政治経験の無さで、その品格や政治家適性を疑われていたトランプ氏の勝利については、メディアを使った大衆誘導が上手だった、隠れトランプ派閥が結構な数いた、ヒラリーの嫌われ具合がスゴかったなど、その成功要因が各所で議論される事態となっています。
個人的には、同じような経緯を辿ったBrexit(EUからのイギリス脱退)問題に近しい状況だなぁと感じながら状況を見ておりました。いわゆる”エリート”層が運営・中心顧客である既存メディアの報道はかなり恣意的であり、世の中全体の実状を上手く反映できていないことがたった一年の間に2度も証明されてしまいました。
今後、世界がどのように動いていくかはわかりませんが、トランプ大統領の基本方針はアメリカ保護主義であり、これはすなわち同盟国には大げさな大義名分にもとづく過度なサポートをせず、日本も自立が求められる時代に突入すると言うこと。
大統領当選後は、同性婚容認や無給奉仕を表明するなど過激な言動がなりを潜め、常識的というか大衆から受け入れられるような主張になってきていると感じます。今後は大衆の反応にも配慮しながら、多くの政治家が語る表面的な「きれいごと」ではなく、問題の核心に鋭くメスを入れていくようなスタンスが予想されます。
いずれにせよ、アメリカは大きく変わる可能性を秘めており、それはつまり世界の秩序も変わっていくということ。私たちはその歴史のスタートラインを目撃したのかもしれません。
米大統領選、トランプ氏が勝利。金融市場は大混乱か
http://www.mag2.com/p/news/226895
中国の国会で、インターネット利用者の実名登録を義務化させる法律が採択されました。表向きは、サイバー攻撃やネット犯罪などを厳しく監視するため、という体の良い目的を並べていますが、そこはもちろん「検閲大国」ですから、主眼として考えているのは中国内の情報管理と言論統制でしょう。
今回の法律以前にも、中国にはグレートファイヤーウォールと呼ばれる、中国政府に都合の悪い情報をブロックするネット検閲システムがあるのは周知の事実です。実名登録の義務化によって、言論の自由が妨げられる恐れがあると主張する人々がいるのはもっともなことで、反国家的な主張やリークに二の足を踏む人は一定数増えると思われます。また、サイト運営者には政府への調査協力をおこなうことも義務づけており、これまで以上にインターネットの世界の管理と統制を国家が強めたい考えです。
中国はここ数年で大きく経済発展をしてきた結果、大きな成功とともに様々な課題を一気に抱える大国となりました。国内における経済格差の拡大、民族紛争、周辺諸国との領土問題など数え上げたらきりがありません。さらに、もともと中国は漢民族が大半を占めていますが、50を超える少数派民族が共存する国と言われています。
従来は、これらのバックグラウンドや思想の異なる民族を一つに纏めるために、日本を始めとした敵国をつくりだして、民族一体化の気運を醸成させる手法を採用してきました。最近そこに加えて、生活水準の違い、優秀な人材が中国外に出てフラットな情報に触れるようになったことなど、国家としては民意の統制管理が難しくなってきているのは事実でしょう。
その中で中央集権国家としての権力を保つためには、情報管理と言論統制は必要だという結論に至った。とはいえ、やはりこのやり方は前時代的な、共産主義国家的な統治法という印象は拭えません。インターネットのおかげで世界中がつながることができるようになってきている今、国家がこれまで通り権力のハブ化し続けていられる期間は案外永くはないのかもしれませんね。
中国、ネット実名登録を義務化 海外企業からは懸念
http://www.huffingtonpost.jp/2016/11/07/story_n_12852026.html
先日、 このメルマガでも触れたVineですが、サービス終了宣言後にLINEを含む複数の会社が買収を検討してアプローチしているようです。Vineの可能性については、是々非々と議論されています。そもそも6秒動画が時代に合わずに終わったという意見もあれば、買収する会社次第ではまだまだ魅力的であるという主張も耳にします。
私個人としては、海外、特に発展途上国で広くサービス展開しているような企業にとっては、買収する価値があるのではないかと思っています。短時間動画であればデータ通信容量も限定的であり、通信環境が未発達な国や地域であれば、まだ先だと見られている動画市場の開拓に一役買うのではないでしょうか。そう考えると、東南アジアや未開拓のアフリカ地域などで攻勢をかけたいLINEが買収しようとしているというのもあながち不思議ではないと思います。
終了宣言のVine、LINEなど数社が買収に食指のうわさ
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1611/08/news085.html
さて、それでは今週の内容です。
【今週の目次】
1.候補者の「熱意」は幻覚を見せる媚薬
2.今週のトピックステーマ
3.気になるアイテム
4.お悩み人生相談 Q&A
5.読者感想コーナー
6.終わりに
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1.候補者の「熱意」は幻覚を見せる媚薬
今回は採用において、気をつけておきたい初歩的なポイントについて解説します。リクルーティング業務をある程度長くやってこられて、実績もそれなりに出ているという企業・担当者の方には、まぁそうだよねという当たり前の内容です。ただし、だからこそ、採用が上手くいっていない企業や初心者の方は、その当たり前を理解することが大切です。
さて、フランスの諺でこんなものがあります。
「chaque chose a une cause」(あらゆる物事には原因がある)
まさにその通りで、上手くいっている事象にはそれに繋がる成功要因があります。それはすなわち、外してはいけない基本的な部分があると言うこと。採用が上手くいかないことにも理由はあるし、採用上手な企業が大切にしている基礎があるということです。
それらの基礎はたくさんあるのですが、今回はテーマを絞って一つお伝えします。 こちらです。
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