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【旅行記】人類の宝を観に行ったら、吉田麻也のデビュー戦もついてきたお話。その②

 2012/9/21にアップしたやつ。

 「人類の至宝を観にイタリアに行こう・後篇」です。

2012/9/13(THU) ローマ晴れ、強い日差しからの雨
 フィレンツェからのユーロスター内では油断しまくりの大爆睡、ホテルに戻ってからも大爆睡からの、翌日であります。
 今日はバチカン市国を見学です。朝9時にOPENなので、そこそこのんびり。
 メトロのテルミニ駅から、A線のチプロ駅で下車します。
 ローマの地下鉄は薄暗くてドン引きするくらい落書だらけ。こんなんで良いのか。と言うか、ローマは全体的に落書きだらけでした。何故描くかなー。そこ、描いちゃうかなー。
 5分くらい歩くと、バチカン美術館の入り口にたどり着きます。ここもお約束のごとく大行列。とてもにぎやか。

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 建物に入ってすぐの中庭。広い。広いよ。でもこんなの序の口だよ。
 バチカン美術館は、歴代の教皇の美術品コレクションがこれでもかと言うくらいに拡大して行ったものです。美術館と一口に言っても、色んなテーマの美術館・博物館の集合体です。イタリア語でも「Musei Vaticani」と、美術館を表すイタリア語「Museo」が複数形で表現されています。

 まずは、古代彫刻のコレクションを展示した、ピオ・クレメンティーノ美術館。

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 いきなり名作きたーーーーーーーーー。
 「ラオコーン」は、中庭にぽんっと置かれています。
 普通に、ぽんっと。
 ラオコーンって、「トロイに木馬を入れてはあかんで!」って折角予言したのに、真実を暴露しようとしたばっかりにアテナにヘビを仕掛けられて、子供もろとも殺されちゃうんだよね。可哀想だよね。カッサンドラと言い、予言者って可哀想な人が多いよね。

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 回廊にもそれぞれ深い謂れのあるであろう彫刻がぽんぽん置かれ、私の口も半開きのままです。
 続いて、グレゴリアーノ・エジプト美術館。

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 ミイラがヌードにされてるYO。可哀想だYO。
 更に更に、グレゴリアーノ・エトルリア美術館。

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 エトルリアと言うのは、遠い昔にイタリア半島に住んでいたエトルリア人のことです。彼らの操っていたエトルリア語が解読されていないので、その全容は今もって全く解っていないそうなんですが、非常に高い文化を持ち、古代ギリシアの裕福な家の子弟はエトルリアに留学するほどだったとか。中部イタリアに遺跡も残っています。
 こう言う黒×琥珀色のカッチョいい壷がいっぱいあった。刻まれる絵は、ディオニュソスとかヘラクレスなどのギリシア神話モチーフのものが幾つもありました。世界は繋がっていたんですね!
 上の壷に描かれているのは、チェス(みたいなの)に興じるアキレスと誰それ、だとか。
 その他、タペストリーの間、地図の間、図書館、などなど、両手にあまる博物館や美術館の数々。
 そして、ひときわお客さんでわさわさしているその部屋に!

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 名画きたこれーーーーーーーーーーーーーーーーー
 「アテネの学堂」も、観るのをとても楽しみにしていました。
 「古代ギリシャの哲学とキリスト教神学の融合を示すべく描かれたうんぬんかんぬん」と言う蘊蓄はさておき、これは観れてよかった。中央のプラトンと手前のヘラクレイトスがそれぞれダ・ヴィンチとミケランジェロをモデルに描かれたのは知っていたけど、他にも色々隠れキャラがいるんやね。

 さて、その後、ようやくシスティーナ礼拝堂です。
 現役の礼拝堂なんで、「見学」と言うよりは「拝観」って言った方がいいのかな。
 思っていたよりもずっと大きな建物でした。中は人でごった返していましたが、皆一様に上を見上げています。そこに、ミケランジェロが描いた天井画と壁画があるのです。
 天井に描かれる人、人、人。人ならざるのは創造主と天使だけ。無垢なアダム、罪を犯したイブ、酩酊するノア。人生の苦痛ゆえか、苦悶の表情を浮かべるキリストの祖先たち。まさに今、託宣を受け取ったと言わんばかりに首を傾げ、天を仰ぐ預言者たち。躍動する人体。若者の輝かんばかりの肢体、老人のひねこびた肉体。彼らのささやき声が聞こえてくるかのような、その生々しさ。
 首が痛くなるまでじっくりと鑑賞。
 ミケランジェロ、天才や。
 4年で描いたってんだから、すごいよね。
 日本では(世界でも?)同時代の天才、ダ・ヴィンチの影にイマイチ隠れがちな気がするミケランジェロですが、その残したインパクトはダ・ヴィンチ以上だと思うのですよ。私はミケランジェロの方が好きです。穏やかな知の人であったと言うダ・ヴィンチに比べ、激情家で人間嫌いだったと言う人柄も、なんだか可愛く感じます。
 システィーナ礼拝堂は、写真禁止なので、写真はございません。
 人類の宝だよ。大事に大事に守って行って欲しいな。

 そのあとも、

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 ラファエロとか、

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 ダ・ヴィンチとかがおさめられているピナコテーカ(絵画館)を観て、

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 らせん階段を下りて、バチカン美術館は終わり。
 実に4時間、ガチの鑑賞。
 いや、すごいわ、ここ。
 人類の宝だわ。

 美術館を出て、バチカン市国の城壁沿いに10分くらい歩くと、カトリックの総本山、サン・ピエトロ大聖堂が姿を現します。中村光の「聖☆おにいさん」でもおなじみ、キリストの一番弟子、ぺとろんのお墓の上に作られたとか。

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 見ろ! 人がゴミのようだ!!!!
 ってか、マジでかっ!!!!!
 日本の神社仏閣に慣れ親しんでいる自分としては、こう言う、まさに「威容を誇る」的宗教的建築物はあまり馴染みの無いものです。もっとこう、迷える子羊を受け入れてくれる的な、素朴でシンプル、かつ端正な建物を想像していたのですが、軍艦かよ!ってくらいにデカイっすね!
 うーん、価値観の違いだわあ。
 とか言いつつ、中に入って、2度びっくり。

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 なんかwwwもうwwwでか過ぎてwwwww 何が何だかwwwww
 いやーすごいね。もうね、すご過ぎてびっくりだよ。もはや、ドン引きだよ。中世よ? 中世ですよ? その時代にこれよ? 一体どんな権力持ってる奴がこれ造らせたんだよと。ナザレのイエスさんが見たら逆に悲しむんじゃないかと言うくらいの豪勢ぶり。実際、この大聖堂を作る財源を確保するために、教会が免罪符を発行しまくり、それがルターさんの宗教改革につながって行ったのは有名な話であります。
 でも、ここでも観たいものがあったんです。

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 ミケランジェロの「ピエタ」です。
 ガラスケースの向こうにあって、結構距離があったので、じっくり鑑賞と言うわけに行かなかったのが残念。2回程、頭のおかしい人によって壊されかけているので、しょうがないのかもしれません。日本の広隆寺の弥勒菩薩像もそう言う目にあったことがあるしね。
 いやしかし、美しいです。
 美しいのは美しいのですが、ちょっと遠過ぎたので、ちょっとガッカリ。

 そんなわけでバチカンを後に。オッタビアーノ駅に向かう途中のレストランで昼ごはん。もう昼って言える時間じゃなかったけど。
 クワトロフォルマッジョのピザを食べました。ブオーノブオーノ。とっても美味しい。
 またメトロに乗って、スパーニャ駅で降ります。ここからは、ライトなおのぼりさんコースです。

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 人大杉なスペイン広場はほぼ素通り。オリエンテーリングのポイント状態。

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 トレビの泉ではお約束のコイン投げ。
 この旅行に出る前に、フェデリコ・フェリーニの「甘い生活」を観ており、ちょうどこのトレビの泉が出てくる有名なシーンも観ていたので、「おおー」と言う感じ。

 このあたりで、いきなりの雨。
 最初は「すぐ止むだろ」くらいに思っていたのですが、雨足は弱くなるどころか徐々に強くなってくる始末。結構な土砂降りに閉口して、どこからともなく現れた傘売り商人たちの1人から傘を購入。最初「1本10ユーロ」とかふざけたことを抜かしおったので、「高い!買わない!」って言ったら、「じゃあ2本で8ユーロにしてあげるよ」とか言うから、「そんなら1本だけ4ユーロで買う」と言うわけで傘1本ゲット。
 日本から傘を持ってきていたのに、天気予報で雨降らなさそうだったから、ホテルに置いてきちゃったんですよね。悔しいなあ。
 雨の中、とりあえず屋根のあるところで雨宿りしようと、次の目的地であるパンテオンに向かいます。
 パンテオンは2世紀ごろのギリシア神殿が破壊をまぬがれて、キリスト教の建物として現存しているものです。2世紀て。その頃日本は、卑弥呼が邪馬台国をシメてましたが。弥生だよ。弥生。

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 天井の真ん中は空洞で、そこから差し込む日の光で時間を測ったとか。今でも、差し込む日の光がとても美しいとか……とか……。
 雨だし……。雨、すっごい吹きこんでくるし……。
 床、びしゃびしゃだし……。
 雨宿り出来ないし……。
 でも建物自体はとても立派。天井高は40メートルくらいあるらしい。ここに来るまでさんざん作品を拝んだラファエロのお墓もあります。
 しばらく雨宿り的に佇んでいたのですが、全然止む気配がないどころか、雷まで鳴りだしたので、諦めて次の目的地に行きました。
 ナヴォーナ広場です。

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 バロック時代の彫刻家、ベルニーニ作の「四大大河の噴水」があります。
 あと、「ムーア人の噴水」と、「ネプチューンの噴水」、3つの壮麗な噴水が広場を彩っているわけです。
 …そんなわけなのですが、もうびしょぬれだし、トイレ行きたいのに無いし(ローマはマジでトイレが無くてこまりました)、ムーア人って誰だよって感じだし、寒いし、雨だし……。
 とか心折れつつ、近くの「イル ビゾンテ」で旦那がお土産買って、その近くのバス停からバスに乗ってテルミニ駅に戻ってきました。
 バスの中で痴漢に遭った。私の垂れたケツをさわさわとまさぐる不届きもんがおりました。どこの国にもいるんだね。困ったもんです。

 ホテルで一息ついたあと、メトロA線のマンゾーニ駅そばのオステリア、「la sol fa」に向かいます。メトロに乗って行こうと思ったんだけど、ホテルから歩いて行ける距離だったので、薄暗いローマの道を歩きました。旦那と一緒だから出来ることですが。15分から20分くらい歩いて到着。
 お店のお兄さんもお姉さんも感じが良くて、メニューのこともイチから説明してくれて、トラディショナルなローマ料理をたくさん紹介してくれました。カルボナーラと、ポルペットーネと言うイタリアのミートローフ、ほうれん草のニンニク炒め、アップルパイを食べました。みんなすごく美味しかったです。
 そう、期待しまくっていましたが、期待を全く損なうことなく、イタリアの料理は何でもウマイ! 海外でこんなにごはんがウマイと思ったのは、ベトナム以来かもしれません。日本食が全く恋しくならず、毎食毎食楽しみでした。イタリア最高やで。

 帰りはトラム(路面電車)に乗ってテルミニまで戻りました。
 スーパーでワイン買って、飲みながら爆睡。

 なんだか滅茶苦茶長くなったので、翌日のことはまさかの続篇とさせていただこうと思います。
 「人類の至宝を観にイタリアに行こう・完結篇」に続くよ!

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