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A面とB面のバランス

年末に帰省した際に懐かしいものを見つけた。
池本幹雄先生の「COSMOS」。
そう、世代ってやつだ。
今はBORUTOを描いているみたいだけど、あまり読めてはいない。
それにしても懐かしい。大好きだった。皆大好きバド・ワイザー。
ジャンプで気に入った読み切りは切り取っていたのか。マメな少年だ。偉いぞ。


育休に入る少し前から、子供が生まれる少し前から、ある問題が発生していた。

妻の、ある家庭問題。

この問題に対して妻と共に向き合う中で、昨年に田房永子さんという方の「母がしんどい」という本に出会った。
私の中で、彼女はただ天才だった。
何歳になっても、衝撃は潜んでいる。
しかも、しこたまだ。
誤解を恐れずに言うならば、
この人の本はネオ面白い。
あきらかに卍解している。
きっと私は、この人のどんな発信物を読んでも面白いと思うんだろうな、と、思う。
日常と狂気の共存を書ききっている気がする。
そして田房さんの本を読むうちに、田房さんの出産育児録的な「お母さんみたいな母親にはなりたくないのに」をこの前読んだ。
そこには、社会がA面ならば、出産・育児はB面だという考え方が書いてあった。
まさにその通りだと思う。
育休を取得して早8ヶ月が経とうとしているが、妻と子育てをすればするほど、同僚や社会との溝が深まっていくことに気づく。
何かの拍子で自分がA面に戻ろうとすると、B面にいる2人がひたすら呑気そうに見えて苛立つ。しかし、大人の世界を終えていざ再びB面に帰ってくると、そこにも違うベクトルで大変なことが起きていることを思い出すのだ。
育児に近づくことで、このA面⇆B面を行き来する、気持ちを切り換える疲労感がより経験できている気がする。

みな、生まれた時はB面だ。
しかし、何が正解なのか。おそらく正解は無いのだろう。
人生とはこんなにも多様だったのか。
迂闊だった。
1人が狩りに出て、1人が家を守っていたのか。
何に重きを置くのか。
きっと大切なのは、バランスだろう。
きっと大切なのは、今進んでいるベクトルは、果たして家族が納得している方向なのか、なのだろう。
もっと茶番劇のような軍団ならば、悩むこともなかったのだろうか。
A面専門のお父さんもいれば、B面を重きにするお父さんだっている。
COSMOSで思い出される松本大洋で言えば、ある時のペコとスマイルであり、シロとクロであり、きっとそんな感じだ。
そして自分が目指すキャリアとは。
何となく道は見えてきている気がする。
そう、すべて「気がしている」だけだから、中身はあまり無いただの放ちなのだ。

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