Jリーグの目指す姿
シーズン移行(秋春制)の検討はJリーグの目指す姿を実現するための1つのアプローチにすぎない。
【後編】シーズン移行議論とは?Jリーグがさらに成長するための最適なシーズンを考える。
2023/10/14
★日本サッカーは大きな成長を遂げてきたが、
●欧州を中心とした”世界”は長い歴史を土台に急速な成長を遂げ、日本と大きな差になってしまった。
●サッカーは世界中に拡がるスポーツであり、「世界との闘い」を避けられない。
●30年に向け、Jリーグの理念をベースにしながら、より大きな成長をとげていきたい。
★Jリーグ理念
●日本サッカーの水準向上及びサッカーの普及促進
●豊かなスポーツ文化の振興及び国民の心身の健全な発達への寄与
●国際社会における交流及び親善への貢献
★次の30年の究極の目標としては、
●Jリーグが世界一のリーグになる
●Jリーグ選手で構成される日本代表がW杯優勝などがあるが、現在の欧州トップの競争力を考えたときに、”まず目指すべき状態”をより具体的に設定したい。
★「次の10年」で目指す姿
●アジアで勝ち、世界と戦うJリーグ
・ACLエリート(2024-25スタート)で4年に2回優勝(=クラブW杯に2クラブが参加)
日本枠を減少させないために出場3クラブが毎年ベスト8以上
・クラブW杯でベスト8以上
・トップクラブの経営規模:200億円
世界のトップ20クラブ:平均630億円規模
1-40位クラブ:平均230億円規模
41-60位クラブ:平均130億円規模
※欧州CLではベスト8に200億円規模のクラブが1クラブぐらいは勝ち上がるため、まずはそこを目指す 例:ポルト、ベンフィカ、ナポリ
●欧州リーグ所属選手とJリーグ所属選手による日本代表
・Jリーグの中に「世界基準」をつくる⇒
”Jリーグで戦える”=”世界で戦える”ことが示せる環境に。
※現在はJリーグよりレベルの劣るリーグでも移籍したほうが日本代表に選ばれやすいと言われていたり、海外から海外への移籍の方が移籍金が高い
・日本代表のJリーグ所属選手の割合を現在の15%⇒30%に増やす
●全Jクラブの経営規模を1.5-2倍へ
・トップラインを引き上げながら、それぞれのクラブがそれぞれの地域で輝く存在へ
・営業収益が1.5倍の場合
J1平均:48億⇒72億
J2平均:17億⇒26億
J3平均: 7億⇒10億
※2022度経営情報との比較
※実際J1は2012年から2022年までの10年で1.5倍になっている
★次の10年で目指す姿を実現するための戦略
●世界と戦うフットボール
●海外からの収益獲得
●競争環境の構築
●各地域での圧倒的な露出
+●適切にスポーツを楽しめる環境づくり
★世界と戦うフットボール
●アジアで勝ち、世界と戦うフットボールへ
●Jリーグの中に世界基準をつくる
・Jリーグからの日本代表増加
・海外移籍の際の移籍金増加
●クラブとしてクラブW杯ベスト8以上を目指す
★海外からの収益獲得
●海外からの収益によって成長を目指す
・ACLエリートやクラブW杯での賞金獲得
ACLエリートの優勝賞金約18億円(1,200万ドル)現状約6億円
●海外からの移籍金収益の増加 2桁億円
●グローバルコンテンツとなるクラブが登場することによる放映権料の増加
★競争環境の構築
●競争へ舵をきることができていなかった(今までは共存)
●カテゴリーごとの配分金比率を欧州に近づけ、J1水準を高める
比率差の大きい欧州の国だとカテゴリー1と2で9:1 日本は2:1
●J2・J3も含めた全クラブが成長できるよう、
各カテゴリーのクラブ数変更や、新理念強化配分金を導入
※クラブ数を多くしてトップカテゴリーへの間口を拡大
(2024からJ1は20クラブ)&
2023から従来4位までの理念強化配分金を9位までに増加した
●トップクラブは、新ルヴァンカップ(2024方式)などで、下位カテゴリーへ価値還元(下位クラブのホーム試合)
★各地域での圧倒的な露出
●全クラブがそれぞれの形で1.2倍⇒1.5倍⇒と成長を目指す
●テレビ等での露出量を圧倒的に増やす
ローカル番組「KICK OFF!」立ち上げ
●リーグもサポートしながら、クラブごとのスタイルでファン・収益の増加を目指す
※Jリーグにクラブサポート本部を開設し、地域ごとの担当者がそれぞれクラブのために働く
★適切にスポーツを楽しめる環境づくり
●理念に基づく「豊かなスポーツ文化の振興」
「国民の心身の健全な発達への寄与」
●降雪地域でもスポーツが楽しめる環境づくり
●気候変動化においても、全国各地域でスポーツが楽しめる環境の維持構築
以上