見出し画像

決算数値にみる横浜F・マリノス(2005年度~2019年度)

画像7

ちなみに1月決算なので、2019年度は、2019年2月から2020年1月までになります。

1.決算数値の推移(2005年度~2019年度)

まずは主要な①売上、②利益、③利益剰余金の推移は下記の通り。
年度のイメージが紐づきやすいように、社長、監督、成績を添えてみました。(※スマホでみるとかなり小さくなってしまいます。)

画像6

画像8

2005年~2019年までをみると大きく3つに分けられる。
①2008年~2012年までの落ち込み期
②2013年~2014年までの財務改革期
③2015年~2019年までの健全経営期

①2008年~2012年までの落ち込み期
2007年まで売上は好調だったが、2008年のリーマンショックの影響を受けスポンサー収入が激減、さらにそれまで赤字でもだいたいとんとんになるように補填してくれていた日産からの助け舟が2010年からなくなり、大赤字が続き、2012年には利益の積み上げでもある利益剰余金がマイナス約17億円までになってしまった。

②2013年~2014年までの財務改革期
クラブライセンス制度による債務超過クラブのライセンス剥奪の危機を脱するべく2013年には日産から10億円の損失補填があり、さらに2014年には、マンチェスター・シティを傘下に持つシティー・フットボール・クラブのマリノスへの出資等により、2014年には利益剰余金のマイナスが約1億円までに減り、債務超過を脱した。
(1つ気になるのが、2014年に約5億円の利益と連動しない利益剰余金のマイナスの減少がありシティからの出資関連だと思われるが、約20%の出資では全然足りず、何かしらの資本取引の動きがありそうだ。資本関連については今度もう少し詳しく調べてみようと思う。)

③2015年~2019年までの健全経営期
2015年以降は、売上を伸ばしながら、わずかではあるが利益を出し、利益剰余金のマイナスを順調に減らし、プラ転まであと少しのとこまできたのが現在の状況。

2.売上内訳の推移(2005年度~2019年度)

年度別の推移の前に、2019年度の売上の内訳が下記の通り。

画像6

売上の約7割をスポンサー収入、入場料収入、物販収入で占めている。
この3項目とそれ以外の項目をそれ以外収入でまとめた各年度の推移が下記の通り。
(※物販収入は2016年度から個別開示されており、それまではそれ以外収入に含まれている。)

画像7

ここ数年をみると、スポンサー収入の一時的な落ち込みはあるが、2019年で増加に転じており、去年や今年のスポンサー契約のリリースを見てもわかる通り、なんとかしようとしている会社の方々の努力が確実に数値に表れている結果となっている。
(2017&18年度のスポンサー収入の落ち込みは、2年連続の10番の移籍が関係しているのかな。)

物販収入について、全体の金額から見ると小さな話だが、2019年は前年比で約2割UP、金額にして1億3千万円UP。
ユニフォーム売上で約3千万円UPだとすると、その他のグッズ売上が約1億円UPしている。
(ユニ売上UP計算:約2,000枚UP×@15,000=3千万円)
2019年に王者になった影響はもちろんあると思うが、2018年から始動した沸騰プロジェクトの影響が大いにあると思う。
個人的にもこの沸騰プロジェクトに参加したことがあるが、これにかける会社の方々の熱意は相当なものを感じたし、参加するサポーター&ファンの方々の積極的な姿勢もすばらしく、その名の通りのプロジェクトとなっている。

それ以外収入の増加もけっこうだが、これには移籍金収入やレンタル収入があると思うので、これについても今度調べてみようと思う。

3.費用内訳の推移(2005年度~2019年度)

年度別の推移の前に、2019年度の費用内訳が下記の通り。

画像7

費用のうち約8割をチーム人件費と販売費および一般管理費(以下、販管費。)で占めている。
この2項目とそれ以外の項目をそれ以外費用でまとめた各年度の推移が下記の通り。
(※それ以外費用は2011年度から個別開示されており、それまでは販管費に含まれている。)

画像7

売上同様、費用もここ数年は増加傾向。
チーム人件費増加は、契約選手の増加や外国籍選手の加入も影響していると思われる。
2015年度で使用が終わったマリノスタウンだが、2016年度になっても費用全体での減少がないことをみると、記事になっているほど費用は掛かっておらず、長い目で見た判断だったかもしれない。(販管費が約2億減少しているので、もしかしたらその分の節税効果はあったかもしれない。)


以上、さくっと2005年~2019年を振り返ってみました。
今回調べてみて、いろいろとわかったことや疑問に思うことがあったので、今後も調べていきたいです。
次回は、2020年度が発表され次第、もう少し細かく、数値と起きた事象を関連付けれたと思っていますし、2020年度が発表される前に、時間があればJリーグクラブ経営情報ランキング等がまとめられれば面白いかなと思っています。
ここまで読んで頂いてありがとうございました。
もしよければ感想等のコメントもらえると嬉しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?