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メタ分析でフルボッコにされている表情分析を活かす演出について緩く考える

割引あり

メンタリストは表情を読んだ演出を使いがちですが、表情分析を含め、外観や行動からその人の心理や思考を読むことは実質的に不可能ってのが現在の定説になっています。

外観的特徴から嘘を見破るのは不可能ってのをテーマにした動画を YouTube チャンネルの方でアップしているので、気になる方は是非そちらもご覧ください(ダイマ)

この動画のタネ本

外観情報から何か読み取れそうだと感じる人は多く、「目は口ほどに物を言う」とか「親は子の嘘がわかる」みたいな言い回しも存在しますが、実際には科学的な根拠はなく、単に当たっていた状況だけが記憶されたバイアスに過ぎず、メンタリストが表情を読んで何かを当てている演出は基本的に嘘っぱちであり、あくまでもエンターテイメントとしての架空の設定だと言えます。

極まれに表情のパターンが非常に典型的で、且つ顔に出やすい人もいて、運良くそういう人に出会えればそれなりの確率で色々と当てることができるので、表情を読む演出が全くの嘘というわけではありません。
ただ、典型的と言われいている人でも何から何まで 100 % 表情から読み取られるわけではなく、当てられる(?)のは 60~70 % 程度だとも言われているため、遭遇する確率が低いこと、遭遇しても完璧に分かるわけではないことを考えると、基本的に表情から何かを当てるのはほぼ不可能と考えた方が合理的です。

表情分析が如何に使えないかについては、過去に散々紹介している『情動はこうしてつくられる』に詳しく書かれているため、詳しく知りたい方はそちらを読むことをお勧めします。

ちなみに、今回の記事の内容も基本的にはこの書籍の内容がベースになっていますが、やや論理の飛躍があるので「そういう考えもできなくはないよね…?」くらいに思ってください。

本当に表情から読めないのか?

表情分析の研究手法がそもそも、ストーリー付きの問題文からの4択であり、その中から最も妥当だと感じるものを選べば良いという「そりゃ当たるでしょ…」と思われるもので、文脈が判断ができないように問題文(ストーリー)を提示せず、且つ1枚の写真からの自由記述方式にしたところ、正解率が極端に下がることが指摘されています。

表情分析(微表情分析含む)の問題点は、「人類には普遍的な情動が存在し、人種問わず老若男女、表情からそれが読み取れる」と壮大な前提があり、追試により普遍性がないと判断された所にあると言えます。

近い文化圏の人であれば、ある程度は共通の表情が存在するので、「人類普遍の法則」という大言壮語でなければ、多少は使える可能性が実は少しだけ残っていなくもありません。

同じ文化圏でテストした場合、ストーリなしの問題でも 60% 近くは当たるらしく、「人類普遍とは言えないけど、同じ文化圏なら多少の傾向はあるよね…」くらいは言えそうです。

まぁ、表情分析が多少使えたとしても、相手が今どんな情動を持っているかをボンヤリと当てられる程度で、人名や数字など、何かを特定のものを当てられるかは全く別の話になります。

やはりメンタリストの表情から読む演出は嘘っぱち…

と言いたいところですが、一応、使い方によっては完全に不可能とは言えず、一部の演出は表情分析の問題点を克服し、矛盾のないプレゼンができるのでは?ってのが今回の本題になります(前振りが長い)

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