コールド・リーディングとかの話
先日行われたリーディング・セミナーで私が話したこと、また時間的制約から話せなかったことを note 用にまとめました。
(同じ内容の記事をセミナー参加者向けに自サイトで掲載しています)
なお、リーディング・セミナーでは事前の予想通り、眉村神也氏がほぼ喋りっぱなしで、私の話す時間がほとんど取れませんでしたね…
そのうちアーカイブを出す可能性があるため、気になる方はご確認ください。
コールド・リーディングのあれこれ:
リーディング・セミナーを開催するにあたり、改めてコールド・リーディングについてまとめました。
まず、「コールド・リーディング」という言葉は元々音楽用語で19世紀までは楽譜を初見で読むことを、現在では舞台用語として最初に台本を声に出して読むことの意味として使われています。
そして、読心術として「コールド・リーディング」が使われたのは1930〜1940年台にロバート・ネルソンが最初だと考えられています。
1946年に出版された小説『ナイトメア・アリー』(ハヤカワ・ミステリー文庫)が恐らく出版物で最初に「コールド・リーディング」という単語を使った書籍だと推測しています。
恐らくこの小説がきっかけで「コールド・リーディング」のイメージが英語圏で定着した可能性がありますし、これは催眠術の悪いイメージが小説『トリルビー』で世界に広まったのと似た印象がなくもありません。
一説によると初出はロバート・ネルソンの出版物が最初とも言われていますが、該当する書籍の出版がこれよりも遅かったため…
ロバート・ネルソンが最初に言い始め、何らかの形で広まる
グレシャムが『ナイトメア・アリー』を書く(1946年)
ロバート・ネルソンが「コールド・リーディング」に関する本を書く(1951年)
時系列的にはこうなると予想されます。
なお、「コールド・リーディング」という単語は出てきませんが、1928年に出版された Julien Proskauer の著書がコールド・リーディングの手法について本格的に解説された最初の出版物とも言われています。
コールド・リーディングとは:
歴史的な背景や本来の音楽用語としての意味を考えると、コールド・リーディングは「初見の相手に対し何の準備もせずに行う読心術」を指す言葉だといえますし、もしかすると「何の準備もせず」は「何の準備もしていない様に見える」という意味も含まれていた可能性があります(原著にあたっていないため何ともいえません)
そこから、メンタリストの手法が巧妙化された結果…
狭義のコールド・リーディング
ホット・リーディング
ウォーム・リーディング
という呼び分けが発生したと思われます。
狭義のコールド・リーディング:
「相手の状態を全く知らない状態でも当たった様に見せる、感じさせるテクニック」
大当たりはしませんが、大外しもしない、安定と逃げに特化した手法を、ホット・リーディングやウォーム・リーディングと区別してコールド・リーディングと呼ぶメンタリストがいます。
バーナム効果やレインボー・ルーズなど、ストック・スピールが特徴で、「話法としてのコールド・リーディング」と表現する人もいます。
特に、雑誌の占い欄などがが顕著な例で、対象者の年齢や性別が分からない状態でも、ある程度あたっている様に感じさせる話法が正に狭義のコールド・リーディングと言えます。
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