見出し画像

被暗示性テストと接続

被暗示性テストの話になります。

催眠誘導に慣れていると「被暗示性テストは意味が無い」と考える人がいます。私も必須ではないと考えていますし、どこかで出演する時以外はほとんどやることはありません。

ただ…個人的な意見としては、被暗示性テストは有用であると考えています。正確には有用に使う方法があります。

被暗示性テストにおいて見聞きすることが多い問題点は、被暗示性テストで被暗示性が高いと判断された被験者を相手に催眠誘導が行えないということです。

理由は幾つかあります。うち1つはここでもよく話題に挙げるサブスケールの不一致によるものです。もう1つは被暗示性テストと催眠誘導を別々の事象として扱っていることです。

後者については例えが難しいのですが…(例える必要があるかは置いといて…)

MCがめちゃくちゃ盛り上げて場を暖めてくれたのに、アイスブレイクからやり始めるパフォーマーみたいなものでしょうか…(雑)

そのまま乗ってしまった方が良いのに、それに気が付かずにオープニングから丁寧に始めることで逆にトーンダウンさせてしまっている状況です。

で、被暗示性テストをやる人がこのパターンになっている場合が少なくないんじゃないかと予想しています。

被暗示性テストは非催眠現象、或いは催眠類似現象で成り立っていますが、一部の現象は催眠現象によって起こっているものもあります。つまり、被暗示性テストの種類によるものの、そこで反応が良い人の中には催眠状態かそれに近い状態にまでたどり着いている人がいるわけです。その状態をキャンセルして、また最初から催眠誘導を始めるのは非常に効率が悪いと言えます。

そして、この非効率的なことをやってしまっている人は案外多いのではないかという話です。

被暗示性テストによって起こる一部の催眠現象を利用してやれば、誘導が非常にスムーズになるので、被暗示性テストから催眠誘導の接続がうまく行かない人はこの辺を意識してやると誘導率が上がるはずです。

ここから先は

4,733字
この記事のみ ¥ 1,500

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?