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【メンタリズム裏レビュー】 No.005

すっかり書くのを忘れていた裏レビューになります。

主なレクチャー内容は"Pseudo Hypnosis"になります。いわゆる擬似的な催眠術、つまり催眠術に見えるトリックのレクチャーです。

この催眠風のトリックは色々と発表されており、Peter Turner氏はHypno-Effects と呼んでおり、Ormond McGill氏は"Hypnotrix"という造語を作っています。

まぁ…正確に言うとHypnotrixとPseudo Hypnosisとはちょっと違いますし、"The New Encyclopedia of Stage Hypnotism"ではHypnotrixの章以外でもPseudo Hypnosisみたいな手法の解説があります。

有名な現象で言うと、マグネティック・フィンガーとヒューマンブリッジがありますが、今回のレクチャーでは全く別機構の現象が行われています。

なお、催眠風トリックは適切に使えば、これを起点とした催眠誘導も行えます。 理由についてはCC理論である程度説明がつきますし、過去の投稿でも何度か触れているのでここでは省略します。

※本投稿はあくまでもレビューであり、原理の解説はありません。

2つのトリック

記憶の操作と、味覚の変化を起こす現象でした。もちろん催眠ではありません。

記憶の操作については、私が想像していたものとは全く違いまして…いうなればカードマジックと催眠現象をつなげたようなトリックでした。ルーク・ジャーメイのRGMを更に催眠風の演出でまとめた感じと言いますか…まぁ、マジックですね…


マジシャンで催眠もやるよって人には良いかもしれませんが、私みたいにカード(≒トランプ)を使わないタイプの人には使えない手法なのがネックかなと。

個人的な感覚で言えば、これを起点に催眠誘導は難しいと思います。というか、この手の現象がトランプで起きたら普通にトリックを疑う気がががががが…

クラシック・フォースが推奨されているあたりも私向けではないんですよね…
(※クラシック・フォース等が得意なことが周知されているせいか、どんな選ばせ方をしたとしてもフォースをされていると疑われます。これはこれで雰囲気作りに役に立っていますし、ここ数年は仕事でカードを使わないので問題はありません)

ちなみに、ある実験によるとクラシックフォースはそこまでフェアに感じ無いという結果もあるので、同じくレクチャー内で紹介されているリフルフォースの方が実は良いんじゃないかと…

The Jerxによるフォースの実験の詳細はこちら↓

1つ目が問題の提唱と実験方法の設定、2つ目が実験結果になります。

脱線しました…

催眠による忘却に見える現象については、FAIの方が強いと思いますし、ジャーメイのRGMをそのまま使った方が効果ありそうな感じがしますね…この人の現象はちょっとマジック臭が強すぎる印象があります。

画期的な方法でなおかつPseudo Hypnosisと説明文にあったので、いよいよ同じやり方を発表する人が来たか!?と思いましたが、そんなことはなく既存のアレンジだったことに若干の肩透かし感はありました。

味覚の変化現象については水がテキーラになるというものです。

実演映像のような環境でやるのは私には不可能ですが、もしやれるのであれば良い現象です。

特殊なギミックは要りませんし、用意するのはショットグラスとテキーラ、水だけなので用意自体は難しくありません。実演映像の難点はバーでやっていることでして…店員とグルじゃないと難しいかと思います。

バーマジシャンなら直ぐにできますね!

その他のサトルティ

一瞬で催眠術に掛けたように見せる動作についてが割と良かったです。これについてはPeter TurnerやDerren Brownが上手いイメージでしたが、このレクチャーの方法も中々良いかと思います。

更に言うと、相手の催眠感受性によってはそのまま誘導ができますし、地味に優れているんじゃないかと…

これについてもややジャーメイの手法と似ていますし、結構影響を受けているのかも知れません。

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