防災基礎試験開発日記
1日目 ~発案~
私が在籍している大学には専門学校のような機能を持つ部署があり、学生は様々な資格を安く取得できる。
パンフレットを流し読みしているうちに「防災士養成研修プログラム」のページを見つけた。防災のエキスパートを養成する講座だ。SAINを創設してから1ヶ月、知識や技能の不足を実感していたので登録しようと思った。
しかし経済的な壁があった。
受験料はいいとして、登録料5000円が謎。何に使うのだろう。
履修登録の期限が迫っていたため、一般教養に防災学を見つけて登録、先着順で席を勝ち取った。ちなみに開講されるのは後期(本学は2学期制)で、申し込みが何人いるかは知らない。
話を戻す。これで知識を学ぶ機会は確保した。しかし防災士が頭から離れた訳では無かったので、ひとつの考えに至った。
自分で安い試験を開発したらいいのだ。頂いた受験料の使い道はSAINの運営費くらいしか無いから思いっきり安くできる。本格的に商業化するなら、その時に改めて設計しよう。
試験問題はnoteで販売、解答をLINEで送信してもらい自動チェック……妄想が加速を始めた。
2日目 ~設計~
玉石混交のアイデアを整理すると、基本方針が固まってきた。
・あくまで目的は防災の普及であり、受験料は運営費が賄える最低限の額にする(noteの販売システム上、最低価格は100円になるが)。
・受験者には「良い点を取ること」よりも「防災の知識を持っていること」を目指してもらう。そのような問題設計とし、珍問奇問は出題しない。
・とはいえ本番で求められるのは思考力と判断力。じっくり考えるような問題ではなく、一瞬で論理を組み立て解くような問題にする。
・解答時間は短めにする。少し時間が足りない程度に設定し、見直す暇は与えない。可能な限り本番の環境に似せる。
・基礎の基礎、本番で役立つ知識や技能、この2つに出題範囲を絞る。
・公式教材や過去問題および模範解答は無料公開する。
~3日目 履修~
後期が始まった。ついに防災学が開講される。
履修者上限が350人に指定されていたが、実は100人台前半しか登録していなかったとのこと。大教室には空席が目立っていた。
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