開かずの扉 【地底帝国の詩 103】
テンムスたちは困り果てていた
鏡の断片のある部屋の前まで
来たというのに
肝心の扉が開かないのだ
テンムスは扉を隈なく調べてみたが
パスワードの文字盤も
重く厳つい錠前も
どこにも見当たらなかった
やはりこれは誰かの心力で
固く閉ざされているに違いなかった
ゾニィに思い当たる節を
聞いてみたが
研究員のなかには呪詛術師のような存在は居なかったという
思いつく方法は潰えたので
ヤマトにテレパス通信を繋いだ
テンムスはヤマトに秘められし力の存在を
改めて確信した
ヤマトが勾玉光輪にインストールした
研究棟の地図を見ながら
テンムスがゾニィに問いかけた
その瞬間
扉についていたテンムスの手が
みるみる内にめり込んで行った
◆ 新事実 ◆
・テンムスはヤマトのポテンシャルに気付いてらっしゃる。
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