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エンジン・ルームへ急げ 【Miracle Fanta詩 Ⅱ 307】
場所は変わって
こちら冬籠りのクジラ号線内連絡通路
雑草魂の魔法使いたちは
ミナミの跡を追って艦内を散策していた
「これじゃあ埒が開かんな。
脳みそ図面くん。能力は使えそうかい?」
「そんな変な名前じゃない、彼はズマップだヨ。
ズマップ、今は能力は使えそうカ?」
ズマップはやってみると言わんばかりに
無言で頷くと
彼の地形操作能力を発動してみた
今まで能力は使用不可能だったが
この後に及んで使えることが分かった
それとシスルーの千里眼能力を組み合わせて
ミナミの正確な位置を割り出すことに成功した
「彼女、エンジン・ルームにいるみたいダ。
三、四人はいるように見えル。あと…」
「あと、なんなの?」
「何か分からないけれど…、とても不思議な感覚ダ…。
その先は、何かによって隠されていル。
目と鼻の奥が熱くなって、燃えるような感覚ダ…。
わたしが味わったことのない感覚ダ…」
「ははは、なんだそれ。
この船ちょっぴり寒いから、風邪でもひいたんじゃないのか?」
ライスワイフはさほど彼の言う事に
聞く耳を持たなかったが
シスルーはなんだか
笑えるような心持ちではなかった
「取り敢えず、エンジン・ルームまで道を繋げてくれ。
装備はもう整っているんだから」
ライスワイフはドブナガに作製してもらった
おニューの鎧を少し見せびらかした
ついでにドブナガも
自前のガトリング砲を自慢げに構えた
「アナタがそれで良いと言うのなラ。
ズマップ、道を繋げておくレ」
みんなの目の前に拡がる
迷宮のような連絡通路は
立体パズルのようにぐるんぐるん入れ替わり
やがて魔導炉室と思しき入り口が姿を現した
「ありがとう、ズマップ。
きっとこれが、最後の戦いになるかも知れない。
よし!みんな、気合い入れてくぞ!」
雑草魂の魔法使いたちは勢いよく
魔導炉室へ飛び込んだ
♦︎コマンド♦︎
・あなたは面接の直前の心持ちを想像してみる。
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