凍りつく石薔薇【Miracle Fanta詩 Ⅱ 303】
こちら魔導炉室
モントローザはマダムネヴァへ
先制攻撃を仕掛けた
石薔薇の剣の先は
マダムの目に向いていた
マダムの持つ真実を見通す
ダイヤモンドの瞳に
この動きを予測出来ない訳は無かった
マダムはひらり攻撃を交わすと
氷の息吹をモントローザへ向けて
すかさず吹きかけた
石薔薇の剣を構えた
モントローザの右腕は
瞬く間に凍りついてゆき
近くの壁に貼り付けになった
モントローザは
顔を近づけて来たマダムの目に向かって
舌を石薔薇に変えて攻撃したが
マダムは目元を厚い氷で覆って
それを最も簡単に防いだ
モントローザは
腹を立てて仕方がなかったが
優劣は明確だった
だがしかし
彼女とて策が無いわけではなかった
目を閉じて
心のなかで呟いてみたが
特に何も起きなかった
このダイヤモンドの瞳なるものは
読心術的に用いるものではない可能性が
彼女の中で浮上した
◀︎ 前頁◀︎
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?