
包み込むプラズマ、朽ち行く身体 【Miracle Fanta詩 Ⅱ 326】
ドブナガとアイウェオが魔導炉室へ向かうちょうどその頃
ライスワイフは自身の持てる願力を
自らの魔法にすべて注ぎ込んだ
プラズマ魔法は
冬籠りのクジラ号を徐々に
包み込んでいった
プラズマが艦を包み込むのと同時に
ライスワイフの身体は朽ちていった
「いや〜、この身体も限界かね。
まぁ、よくもった方じゃないか。
ドミニスリヤに感謝しなきゃだね」
ライスワイフの顔は
なんだか困ったような笑顔だった
終いにはその顔も崩れ去ってゆき
後には彼女の魂とも言える蓄電石と
プラズマ魔法だけが残っていた
蓄電石はコロコロと艦を転がり
遥か下方に落下して見えなくなった
ヤスメヤセンの街は
もう目前だった
しかしながら
プラズマ魔法を纏ったクジラ号は
不思議なことに
街をゆっくりとそれて行き
ヤスメヤセンの奥に位置する
砂漠地帯へ向けて
徐々に高度を落としていった
一方その頃
ドブナガとアイウェオの乗った
ウィードの意思号は
一旦クジラ号から脱出し
ミナミたちの居る剥き出しになった
魔導炉室へ向かっていた
◀︎ 前頁◀︎