見出し画像

選択の時 【Miracle Fanta詩 Ⅱ 318】

「おいおいおい!!
何がどうなってんだ!!」

── 意思号の船長、ライスワイフ

「分からない!
でも、一気に負の感情を取り込んだに違いない!
一体誰が…!」

── 発明家、ドブナガ


ドブナガが辺りを見渡すと
明らかに周りの空気とは色彩の異なる
空間が目についた

その中心にはミナミが居た


「ミナミ!やめるんだ!
自分の負の感情に飲み込まれちゃいけない!
何か良い方法は…」

── ドブナガ


そんななかでも
ニガマトはどんどん巨大化してゆき
遂には魔導炉室エンジン・ルーム
覆い尽くすまでの大きさになってしまった

最早魔導炉エンジンが機能しているか
定かではなかった


「おい!魔導炉がヤバいぞ!
このままコイツが巨大化すれば、この船はホントに街に落っこちる!」

── ライスワイフ

「オイラに任せろ!
魔導炉に熱を加えて再燃させてやる!」

── 紅いツナギのホッキョク

「バカ!ヤツはもう魔導炉と一体化してるんだ!
このまま魔導炉に魔法を注いだら、熱だろうがなんだろうが、ヤツの肥やしだ!
魔導炉がヤツの今の動力源なんだ!」

── ライスワイフ

「じゃあどうすれば…」

── ホッキョク

「アタイがなんとかするから、アンタたちはミナミをなんとかしな!」

── ライスワイフ


そう言ってライスワイフは
冬籠りのクジラ号の甲板へ向かい
一旦魔導炉室|《エンジン・ルーム》を飛び出た


「どうにかしろったって…」

── ホッキョク



ミナミの周囲には
漆黒の闇が拡がっており
それはどこか
鈍く光り輝いているようにも見えた


「どうすればいいんだ?」

── ドブナガ

◀︎ 前ページ◀︎


▶︎次ページ ▶︎

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?