入り口探し 【地底帝国の詩 107】
白衣を纏ったゾニィを盾にするように
テンムスたちは研究棟を練り歩いた
しかしながら
鏡の断片のある部屋へ続く入り口は
どこにも見当たらなかった
その時だった
物理実験室から出てきた
研究員と鉢合わせになった
ゾニィの元同僚ナガネギである
物理実験室の面々は
怪訝な顔をして近づいてきた
引き返そうかとも考えたが
時すでに遅し
入り口の側で待機していた
テンムスたちを向こうへやると
ゾニィは束の間の談笑を
楽しんでいるかのように見えた
◆ 新事実 ◆
・ゾニィは人気者。