引き金を引く勇気 【地底帝国の詩 94】
「おやおや。
ゾニィくんじゃないか。
今さら何しにここへ来た」
コルネ・コロネット
「オレたちは
アンタに復讐しに来たんだぜ」
ゾニィはコルネを見下ろしながら言った
「鏡の断片はどこにあるの?」
テンムスが勾玉を構えながら言った
「鏡の断片…?
ああ、あれのことか。
破壊レーザーの増幅装置に使えると思ったから、
今は実験棟にあるよ。
だからここにはないんだ。
だがね、ゾニィくん。
きみにはその引き金を引く勇気はないだろう?
なんせきみは負け犬なんだからなァ」
コルネが手元に持っていた
何らかのスイッチを押すと
部屋の捕縛レーザーが作動し
この階層に居た反逆者たちは皆捕縛され
落とし穴に導かれて
下層フロアへ強制送還されてしまった
「わたしには何の躊躇いもなくいつでも引き金を引く勇気があるぞ…?クックック…」
反逆者たちは
どのまで落とされたか
ここは何階なのかも
皆目見当がつかなかった
「おい!全員いるか?!
これからどうするんだ!
計画は全部パァだ…!」
ゾニィか意気消沈した
「あなたが引き金を引いていれば、こんなことにはならなかったかも知れないわよ?
あ、そういえば自己紹介がまだだったわね。
わたしはテンムス。それでこっちがダンジョウ。
ヤマト・ダンジョウ」
「意気地なしで負け犬のオレが悪うござんした。これが最期の挨拶にやらないことを祈るぜ。
よろしくな、テンムス、ヤマト」
仄暗いフロアの闇の中
ヤマトたちは握手を交わした
すると
「…ねぇ、ぼくに良い考えがあるよ」
ヤマトが少し考えた後切り出した
◆ 新事実 ◆
・イカツイ奴も、見た目だけなんてコトは多々ある。弱さを隠すための、せめてもの反抗。