はちゃめちゃガトリング砲【Miracle Fanta詩 Ⅱ 302】
一方こちらはニガマトの一部と交戦中の
雑草魂の魔法使いたち一行
ドブナガは完成したガトリング砲に
ホッキョクから貰ったマッチの火を投入した
「どら、見ていろまっくろくろすけ。
ボクの発明品の威力を思い知らせてやる」
そう言い終わらぬうちに
マシンガンからは
とんでもない威力の火炎放射が飛び出た
「どわっち!あっちぃな、バカァ!!
あぁ!アタイの髪の毛が〜!!」
ライスワイフの長いハリネズミのような髪は
一部焦げて縮れていた
それと一緒に
ニガマトの一部にも直撃し
通路にいるほぼ全ての黒い液体は
跡形もなく蒸発した
「……ごめん、姐さん。
あとでカツラでも発明するから許してよ」
「そ〜ゆ〜問題じゃ〜ねぇ〜んだよなぁ〜!」
辺りに脅威となるものの気配が消えると
ホッキョクが展開していた
熱のカーテンは一先ず解除された
「今のうちに排気口を塞いでおいた方が良い」
ホークジョウの言った通り
各々手分けして手当たり次第
排気口を塞いでいった
魔法の使えるものは
それぞれの魔法を用いて
使えないものは物理的に塞いで行った
ホークジョウは少し戻って
ウタタカの亡骸を拾い上げ
自らの幻術で生成した鷹に
外へ連れ出すよう命じた
「…ウタタカさん……」
ホッキョクの脳裏には
今までの彼との思い出が過ぎった
それでもそれに浸っているヒマは無かった
ホッキョクは手を合わせて
◆コマンド◆
・この世界から旅立った者たちの中で
あなたの思い浮かべる者を想い、手を合わせる。
硬い意志を胸に振り返った
「この世界から旅立った者たちは、別の世界に行っただけだ。
だから、死んでなどいないんだ。
だが、その者たちをひとたび忘れてしまうようなことがあれば、それは本当の意味での死なのだ。
たとえ生きている者であってもだ。
思い出して想うことで、人間は何度だって蘇り、その人の中で生き続けるだろうよ。
人間が死へ向かう恐怖の中でも人に出会い生き続ける意味は、孤独を紛らわす為でもあるが、一人でも多くの誰かの中に生き続けるためなのではないかと、オレは思うよ」
みんな厳粛な態度で彼の話を聞いていた
「アンタ、イイ男になったね。
そんなこと、言うヤツじゃ無かったのにね」
「…惚れ直した?」
「…そ〜ゆ〜とこがキライ」
「痴話喧嘩はそこまでにして、そろそろミナミさんのもとへ向かいましょ」
「おい、アストン。
そんな言葉、どこでおぼえ た ん だ よ!」
雑草魂の魔法使いたちは
ミナミのもとへ歩き始めた
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