鳥籠からの脱出【地底帝国の詩 96】
「ただ、ここからどうやって出るんだよ?」
ゾニィが怪訝な顔をした
部屋は低い天井に遮られ
窓なども見当たらなかった
「一瞬だったけれど、落ちるときこの空間の上側が開いていたのをぼくは見たんだ。
だから押してダメなら…」
ヤマトがぐいと天井を押したがびくともしない
「…引いてみる」
「引くったってどうやって?」
心力に神経を乗せて
勾玉光輪を使って天井を隈なく探査してみた
その光はまるで
薄くへばりつくスライムのようだった
どうやら天井には
ロックがかかっているようで
一筋縄ではいかなかった
錠のひと部品ずつにも
心力を行き渡らせ
ロックの解除に成功した
がばぁと重い天井が開き
皆は外へ出ることが出来た
「でも気をつけて。至るところに人感センサーが
仕組まれているみたい」
◆ 新事実 ◆
・勾玉光輪。
その表現力は使用者次第。