
ホークジョウとマダムネヴァ【Miracle Fanta詩 Ⅱ 311】
ホークジョウはアストンの腕を
やさしく戻してから
アストンにタコ殴りにされて
最早誰だか分からなくなった
マダムネヴァの手を引いて
起き上がらせた
「ネヴァ、久しぶりだな。
いや、こないだちらっと会ったっけか?
面と向かって話すのは、だな」
「えぇ…、そうね…。
きっと今酷い顔だから、見られたくなかったんだけど」
「まぁそう言うな。あいつ《アストン》もきっと、あいつなりに思い詰めていたんだと思うぜ。
初めて見たよ、あんなの。
お前の言ったことが、余程心に深く突き刺さってだんだな」
「……アタシ、あの子に何か言ったかしら?」
「ま、そんなもんだよな。
自分は何気なく言い放った一言でも、言われた側にとっちゃあかなりショックだった、なんてことよくあるぜ」
「……思い当たりないわね」
「なぁ、なんでそんなに短剣が欲しかったんだよ?」
「やっぱり……、何も、気づいてくれてなかったんだね……」
「?」
◀︎ 前頁◀︎
▶︎次頁 ▶︎