ガニメデ大佐の映像記録 ① - 未知との遭遇 -
バタン
背後の扉が閉まったようだ
「何なんだ、ここは?
なにも見当たらないぞ」
「まるで操られたみたいに、脚がひとりでに歩いたわ。
魔女の力は恐るべきね」
ミナミとガニメデ大佐は
何も見えない何もない空間に
放り出された
ただ
足元は水溜りにでも
浸かっているような感覚だ
少しだけ水がまとわりついて
重たく感じた
「真っ暗で、進んでいるかどうかも分からんな。
取り敢えず歩いてはみるが…」
「闇雲に歩いても体力を消費するだけよ。
これからどうなるか分からないんだから、
少しは温存しておいた方が良いわよ」
「いちいち口答えするな!
貴様は人質だということを肝に銘じておいた方が身のためだぞ」
大佐は脅しで氷の球体魔法を
手のひらで作り出してみせたが
いつもの何倍もの大きさのものが出来てしまい
腕まで氷漬けになってしまった
「うわっ、何が起きたんだ?!
自分の魔法で自滅するなんて…!」
それを見たミナミは
自分の樹木魔法も使って見ることにした
いつもより早く
そして巨大な樹木の腕が
何本も突き出してきた
「危ないなぁ。
出来れば魔法は使わないで欲しいんだけどなぁ。」
ふたりが魔法の発動に失敗すると
何処からともなく
何者かの声が残響した
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