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聖水の発見 【地底帝国の詩 104】

「ぐっ…っ!!」

── テンムス


テンムスの身体は
みるみる内に扉に取り込まれていった


「そうか…!
心力でロックされているのではなくこれ自体が生物だったのか…っ!」

── テンムス

「テンムスっ!」

── 暴走族長ゾニィ


ゾニィが手を伸ばし
テンムスを引き戻そうとしたが
扉のパワーには
手も足も出なかった



「オレらがいなくなった間に、こんな生体兵器も開発していたのかよ…!
でも、必ず弱点はあるはずだぞ…。
テンムス!もう少し辛抱してくれ…!」

── 暴走族長ゾニィ


ゾニィは近くの物理研究室を漁ると
何かの液体の入った瓶を持ち出してきた


「テンムス、これをかけたらソイツの力が一瞬弱まると思うから、その瞬間に脱出するんだ!」

── 暴走族長ゾニィ



最早身体の半分が取り込まれていたが
テンムスにはまだ意識があった

「おらっ!」

── 暴走族長ゾニィ


じゅううううう!



ステーキを焼いたような音が
辺り一面に拡がった

その瞬間に
扉は呻き声を上げて力を緩めた

テンムスは
そのスキを見計らって扉から脱出した


◆ 新事実 ◆

・扉もどきの生物兵器。元々人間だったが、扉の姿に改造されてしまった。
かわいそう。

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