聖水の発見 【地底帝国の詩 104】
テンムスの身体は
みるみる内に扉に取り込まれていった
ゾニィが手を伸ばし
テンムスを引き戻そうとしたが
扉のパワーには
手も足も出なかった
ゾニィは近くの物理研究室を漁ると
何かの液体の入った瓶を持ち出してきた
最早身体の半分が取り込まれていたが
テンムスにはまだ意識があった
じゅううううう!
ステーキを焼いたような音が
辺り一面に拡がった
その瞬間に
扉は呻き声を上げて力を緩めた
テンムスは
そのスキを見計らって扉から脱出した
◆ 新事実 ◆
・扉もどきの生物兵器。元々人間だったが、扉の姿に改造されてしまった。
かわいそう。
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