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鎮まる脅威、騒めく悪意【Miracle Fanta詩 Ⅱ 317】
ニガマトと交戦中の雑草魂の魔法使いたち
「お?なんだ?
ヤツめ、小さくなって来やがったぞ?
攻撃が効いてるのか?」
「どうやらそのようだね。
それか負の感情の割合が少なくなって来たのかも知れない」
「なんにせよ、早いとこやっちまおうぜ。
ミナミも魔女を片付けたみたいだしよ」
そんなミナミはニガマトたちに立ち向かう
雑草魂の魔法使いたちの元へ
向かおうとしたが
その途中に
二体ほど屍を見た
それと一人の少年も
ひとりは顔が潰れて誰だか分からなかった
もうひとりは
ホークジョウだった
「嘘…」
「間に合わなかった…」
アストンは
申し訳なさそうな目で
ミナミを見つめた
その目からは
ダイヤモンドの涙が流れていた
そしてその拳は
血塗られていた
ミナミはこころのなかに
感じたことのない違和感と
奇妙な昂揚感が湧き上がるのを感じた
それとともに
小さくなりつつあったニガマトは
一気に膨れ上がり
艦の天井を突き破った
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