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魔女の倒し方【Miracle Fanta詩 Ⅱ 315】
ミナミはホークジョウの訃報も知らず
モントローザと
永遠に決着のつかない戦いをしていた
この時のミナミは
意思の短剣を通じて
ただひたすらモントローザの死を
祈っていた
モントローザには
死という概念が存在しない
彼女が魔女になった瞬間から
彼女から寿命という概念は消えてなくなった
だから死を祈って短剣を振るうことは
水をひたすら切り裂いているような
ものなのである
とうとう見かねた意思の短剣は
ミナミへ助言をした
「ミナミ、落ち着いてくれ。
さっきからきみは魔女が死ぬことを願っているが、全くもって通じていないことが分からないかい?
ぼくに祈って叶わなかったことが今まであったかい?」
「……どういうこと?!」
「だからそういうことさ。
きみの願いは叶っている。でも、魔女は死んでない」
「……死なないってこと?!」
「どうやらそのようだ。
魔女には死という概念がないらしい」
「じゃあどうすれば良いの?!」
「ホントは自分で考えて欲しいんだけど…。
そうも言ってらんないから、ぼくの考えを伝えるね。
魔女の目的はなんだった?」
「ヤスメヤセンを滅ぼすこと」
「そう。反対に考えてみて。
ヤスメヤセンを滅ぼしたいのに滅ぼせない状況。
魔女は指を咥えて見ていなきゃならない。
それも一生。
ヤスメヤセンには恐らく彼女が作った、石薔薇の壁がある。
何か思い浮かんだ?」
「……?…?」
「魔女がされて嫌な事を考えるんだよ!
今は良い人になってるヒマなんてないよ!
とことん決着をつけないと!」
ミナミは意思の短剣の言葉を
自分なりに色々解釈してみたが
やはりどうやら難しそうだった
「ミナミ。
きみが復讐に狂ってるときを考えてみてよ。
目の前に復讐したい相手が居るのに、出来ない状況。
きみはどうゆう状態か。
物理的だったら大体身体が動かせないような状況だろう?」
ミナミは
これまでにないほど
脳みそをフル回転させて
魔女を倒す方法を考えた
♦︎コマンド♦︎
・あなたは出そうで出ない問題の答えに悩んでいる
感覚に陥ってみる。
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