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美容医療について知ろう!実は施術の約90%が美容皮膚科だって知ってた?

そもそも美容医療とは?

美容医療の分野

美容医療と聞くと、目を二重にしたり鼻を高くしたりする外科的な施術だけをイメージする人も多いのではないでしょうか。確かに、外科的な施術によって見た目を大きく変えるものも美容医療の1つであり、数年前までは「美容整形」や「プチ整形」と呼ばれていました。しかし、実際にはそれだけが美容医療ではありません。

 美容医療には、大きく分けて「美容外科」と「美容皮膚科」の2種類があります。この2つのうち、いわゆる「美容整形」のように見た目を変える施術に当たるのは美容外科です。一方、 美容皮膚科で主に行われるのは、メスなどを入れない非外科的施術です。例えば、脱毛・シミやシワを改善する肌管理・肌にハリを与えるヒアルロン酸注射・表情ジワを軽減するボトックス注射などがあります。

美容外科・美容皮膚科の件数内訳



一般社団法人日本美容外科学会の2022年のデータによると、美容医療全体のうち、美容外科の施術は約11%で、残りの約90%は美容皮膚科の施術が占めていることがわかりました。つまり、現在「美容医療」と呼ばれているものの大半は、いわゆる「整形」ではなく、非外科的施術の美容皮膚科を指しているのです。また、歯のホワイトニングや矯正を行う審美歯科・産後の悩みを解決する婦人科形成・眉毛などのメイクを施すアートメイクなども美容医療に含まれます。

形成外科やエステとの違い

形成外科は主に保険診療で、病気治療の一環として機能改善を目的としています。例えば、眼瞼下垂(まぶたが垂れて視界が狭くなる状態)の手術などがこれに当たります。一方、美容医療は自由診療で、機能改善だけでなくQOL(Quality of Life:生活の質)を向上させることも目的としているのが特徴です。

 エステとの大きな違いは、医療行為であるかどうかという点です。美容医療は医療行為に当たるため、解剖学などの専門知識を持った医師が、悩みを根本的に解決するための適切なアプローチによって治療します。

 一方、エステは医療行為ではなく、日々のメンテナンスや、気分をリフレッシュするための施術が中心です。また、使用できる機器にも違いがあります。美容医療では高出力のレーザーなど、より効果的な医療機器を使用できるため、悩みを解決する手段としては美容医療の方が効果的といえるでしょう。

美容医療に対してネガティブなイメージが持たれるのはなぜ?

いわゆる「美容整形」に当たる施術は少ないものの、美容医療に対してネガティブなイメージを持つ人は少なくありません。その主な理由の1つは、テレビ番組などのメディアから発信される極端なイメージが根付いていることです。

例えば、かつて「顔を大きく変えて生まれ変わる」といったコンセプトの番組で、美容医療の中でも比較的特殊なケースが取り上げられることがありました。番組を見た視聴者の中には、美容医療の全てを「整形」と同一視してしまった人も多いことでしょう。

 しかし、実際の美容医療の多くは、生まれ変わるように大きく変える施術ではありません。レーザー治療でシミを薄くしたり、ヒアルロン酸注射でシワを改善したりといった、見た目に穏やかな変化をもたらす施術がほとんどなのです。

QOLを向上させるという視点で考えてみよう

美容医療はQOLを向上させるものという視点で考えると理解しやすいかもしれません。身近な例でいえば、美容院での縮毛矯正や白髪染めなどは、機能改善だけでなく見た目も意識したものです。

 さらに、視力の悪い人がレーシックを受けたり、歯並びの悪さを気にする人が歯列矯正したりすることとも類似しています。どちらも、機能改善と同時に、生活をより快適にするための選択肢の1つといえるでしょう。

 また、「今の自分よりもっと良くなりたい」という意識を持つという点では、勉強や洋服選び、メイクアップなども同じ発想といえます。勉強・キャリア・趣味など、人生の優先順位は人によってさまざまです。美容医療を選択することも、自分の人生における1つの優先事項として捉えられるのではないでしょうか。

美容医療を受けているのはどんな人?

最近では男性の施術者も増えており、美容医療を受ける理由は、性別によって傾向が異なります。女性の場合は、コンプレックスの解消や自己満足など、自分のために施術を受ける人が多い傾向です。例えばファッションのように、着られれば何でもよいというわけではなく、自分がよく見える服や気分が上がる服を着て出かけたいという気持ちに通じるかもしれません。

一方、男性は「モテたい」など、他人からの見られ方を意識して施術に踏み切る人が多い傾向にあります。特に、経営者や人前に立つ仕事をしている人は、外見に対する意識が高いようです。中には、「娘からかっこいいパパだと思われたい」という理由を挙げる人もいるとか!

 また、機能改善や日常生活の効率化を目的とする人も少なくありません。例えば、脇汗を改善したいから脇ボトックスの施術を受けたり、肩にボトックス注射を打って肩こりを解消したりする人もいます。

また、眉毛を描く時間を節約するためにアートメイクをする女性や、ひげ剃りの時間がもったいない、カミソリを使うと肌が荒れるなどの理由から、ひげ脱毛をする男性もいるようです。

美容医療のメリットは?

美容医療を受けた理由(リクルート社美容センサス2023年下期≪美容医療編≫より)

美容医療の大きなメリットは、悩みを根本的に解決できるという点です。美容医療には1〜2万円とデパコスなどの化粧品と変わらないくらいの価格で受けられる施術もあります。化粧品は、シワやシミなどの悩みを防げても、根本的な解決は困難です。美容医療の場合は、悩みに対して直接的にアプローチできるため、化粧品にはない効果が得られます。

また、ヒアルロン酸やボトックスなどの注射は、一度の施術で大きく見た目が変わらないため、少しずつ試せるというメリットもあります。また、時間とともに効果は薄れるものなので、一度施術を受けたら元に戻らないといった大きな失敗もありません。長期的に続けることで効果を維持できるという施術が多く、比較的気軽に受けられます。

 さらに、顔の解剖学など専門知識を持った医師が施術を行うため、その人にとって適切な施術を受けられるという利点もあります。例えば、たるみの原因となる筋肉を特定し、そこに適切にアプローチするなど、根拠に基づいた施術が可能です。

美容医療は自分の人生をより良くする選択肢の1つ

現在、美容医療と呼ばれているものの多くは、かつてイメージされていたような美容整形ではなく、シミやシワを改善したりなどの美容皮膚科での施術が大半を占めています。形成外科で目指す「機能改善」に、「QOLの向上」をプラスした施術だと考えると分かりやすいでしょう。

「見た目の印象を変えることで自分に自信が持てる」「自分自身が気持ちよくいられる」という理由で美容医療を受ける女性や男性は増えています。勉強やファッションのように、自分の人生をより良くする選択肢の1つとして、美容医療を選ぶ人が増えているのかもしれませんね。