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Photo by
inagakijunya
幼馴染の偏執。
俺には一人、チビの頃からの幼馴染がいる。
名前を秋月愛子といって、高校生になった今もずっと同じ学校で、不思議な縁もあるもので幼稚園の頃から一度もクラスが別になったことがない。
愛子と俺はまさに腐れ縁というにふさわしい間柄だった。
クラスメートの男子たちはそれを実に羨ましがる。
なぜかちょっと悔しいがそれも理解できる。愛子は幼馴染の俺から見てもとんでもなく可愛いからだ。加えて勉強もできてスポーツも万能ときている。
それに「表向き」は実に人当たりも良くって、誰にでも分け隔てることなく明るく振舞うことができる。少し人通りの多いところで遊ぶとすぐにナンパやスカウトの声がかかる。そういう輩にもスマートに対応していなしてしまうというのも愛子の人気の秘訣だろう。
しかし、自分のルックスの良さや能力の高さを鼻にかけることもなくざっくばらんな親しみやすい性格を人懐っこく出せる、というのはつまり、
愛子には「裏の顔」というのがあるからだなと痛感する。
そこにある歪み、というのを根底に持っているからこそ表に現れる部分のバランスを取ろうとする意識が働くんだなぁと思う。
え?
なぜそんなことを思うかって?
ではお教えするが、愛子は俺の前では実にわかりやすい変態で、
超がつくほどのサディストだからだ。
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