罰ゲーム。
「はいアガリー!!!」
一斉に席がわっと沸いて、そのゲームの最終的な敗者が根室俊介に決定した。「なんだよおついてねえなあ!!!」机に突っ伏して、ほろ酔い気分の俊介は手元に残った数枚のトランプをギュッと親指と人差し指で挟み付けた。
「じゃあ恒例の罰ゲームの発表と行きますか!」
主催の友人が恭しくそう言って立ち上がる。
「ドロロロロロロロ!!」
友人その二がドラムロールの真似をする。
「ババン!!」
「今回の罰ゲームは・・・・・」
これまでもこのゲーム大会では少し凝った罰ゲームを用意していた。参加者から少しずつ参加費を徴収してそれを罰ゲームの費用として充てるのだが、前回はバンジージャンプ。前々回は逆バンジージャンプだった。
そして今回は、「素人格闘技大会に出てもらいまーす!!!」
俊介は格闘技はもちろん運動の経験もほとんどないガリっ子だったのでその罰ゲームにはあまりにも『向いていた』。
「ちょっと待ってよー!ダメだよ死んじゃうよ!」
俊介はオーバーにその宣告に対するリアクションをとって椅子から転げ落ちて見せた。仲間たちはそれを面白がり、動画を撮影し、酔いに任せてキャハハと笑った。
「夜の廃神社で「トイレの神様」をフルコーラス(約10分)歌ってもらうっていうのと最後まで競ったんだけど、まあせっかくだし少しお金をかけてネットで見つけたこの格闘技大会に出場してもらった方が面白いかなと思ってね。」
そういうと友人はピラリとチラシを一枚。そして応募用紙とみられる封筒を一つ手に持って見せた。
「しかもねえ、勝ったら結構いいお金もらえるんだって。70000円。負けても30000円だから、まあ、いいよねえ。参加費は10000円だから、十分、負けても20000円の儲けだ。参加費はこのゲーム大会の参加費から捻出するから、その賞金はもちろん頑張った俊介が持って行っていいよ。」
そう聞くと俊介はおもむろに目の色を変えながら立ち上がって「やったるぞー!!!!」と雄叫びをあげた。現金な男であった。
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