君と二人で。
今回の大会も駄目だったなあ。
区の高校柔道大会を終えて部のみんなでわいわいと食べ放題の焼肉屋で一回戦敗退の打ち上げをやっている。僕は二年のタカシ。高校から始めた柔道で全国大会とか大きな夢を見ているけどまあ、この調子じゃおそらく無理だろう。三年の先輩ももう引退だし、残る僕らも総勢5人と女子1人だし。ま、ガチンコの人たちには太刀打ちできないけど僕らは僕らで楽しくやれたらいいかな。と思っていた。
そして僕はこの大会で一度でも勝てたら一つ下の後輩であり、柔道部唯一の女子、上村由貴に告白しようとしていた。
が、まあ今回もさっぱりだったのであきらめないといけない、のかなあ。
さっぱりだった試合の次の日、僕は何故だか由貴を呼び出していた。
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