cube.
いつからここにいるのかは分からない。
ここにいるようになってどのくらいの時間が経つのかは分からない。
四角いこの部屋にはトイレとシャワーが備え付けられている。
扉には暗証番号式の鍵がかかっているらしく外に出ることは不可能だ。
そして壁には一面に大きな鏡が設えられている。
その鏡に映る自分の姿を見ていると、不思議な気分になるものだ。
窓のない部屋で、電気をつけていなければ暗い。
今が何月何日で何時なのかも分からないから
朝と夜の感覚も自分の中に存在しない。
訥々と孤独感が腹の中に溜まる。
財布も携帯もこの部屋に入れられた時には既に持っていなかった。
外部との交信は絶たれている。何度か逃げようと画策したけど
あまりにも手がかりがなくて諦めた。
唯一の出入り口である扉も二重になっていて外の様子はうかがい知ることが出来ない。
思い返せばここに閉じ込められた経緯というのはどうだったか。
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