彼女の嗜み。
高嶺の花。
マドンナ?
なんていうの、アイドルとか?
そういう存在だった。
高野優里。
彼女は、ちょっと一目置かれた存在で
クラスでも男子は彼女に話しかけるのはかなり強烈に勇気がいる。
ぼくももちろんそうだ。
彼女には話しかけることはなかなか難しい。
綺麗で、可愛くてお淑やかで。
勉強もできるし、体育はあんまりわかんないけどそれなり。
なにしろ可愛いというのがでかい。
しかもスタイルもいい。
女の子同士で話している時にはとても可愛らしい。
女子で彼女のことを悪くいうのを聞いたことがない。これは珍しいことだ。
そして、彼女の家はちょっとびっくりするくらいのお屋敷だ。
この辺の大地主というのか、なんなのかよくわからんけど
誰もがみたことのある、大きな大きなお屋敷。
つまりまあ僕達のような一般庶民からすれば、やはり高嶺の花なのだ。
そこにいるだけで満足、今日もお元気で何より。
というような存在。
まさか手を触れたり話しかけていい存在ではない。
というような感じだ。
というか、感じだった。
なぜ過去形なのかというと、
僕は今彼女の家の中にいるからだ。
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