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気乗りのしないこと。
まあ、もうそろそろだろうなとは思っていた。
このご時世、誰もが貧乏なこの時代にだ。
一人家でのんびり、特にお金を産む作業もせず
親元で22歳にもなっていわゆる、引きこもりとか、ニートとか呼ばれるような生活を送れるほど我が家は裕福ではないことは知っていたよ。
もうそろそろだろうとは思っていた。
だから部屋で一人ネットフリックスを見てこの世で一番ぼんやりと心臓を動かしていた僕の元に、父親が突如現れて、「お前、今月で出ていけ。」と宣告したことに、あっちが期待したほどには驚かなかった。
「ふーん。そ。」
太々しくもこう答えてやった。
父親は「来月の一日に不用品回収の業者を頼んである。その日まで、必要なものを持って、出ていけ。」と言ってガラピシャ!と扉を閉めていった。
のしのしと興奮気味な父親の足音を聞きながら、僕は、さあて、どうすっかなあ。と携帯の日付を見た。
あと半月かよ。
住むところを決めないとな。
僕は半分以上見ていなかった動画をつけたまま、
ぼんやりと家を探し始めた。
家を探し始めて気づいたけど、
これはすごいチャンスなんじゃないかと思った。
つまり、この勝手知ったる土地、言い換えれば慣れ親しみすぎて飽きちゃったこの土地を離れて全然知らない場所へ自由に移り住むことができる。
これは、大変なことだ。
これまで知らぬ間に自分に掛けていた枷を、僕は認識していた。
大阪、、、、いや、仙台・・・・。
ふむふむ。
ここは大好きな芸人の都、大阪に絞ってみるか。
しかし・・・・。それよりも先に、仕事の目星をつけないとまずい。
貯金があるわけでもない僕は一気に推し進めることのできない移住計画の日本の柱をどうこなしていくかを考えながら、今度は仕事を探し始めた。
「大阪・・・楽な・・・仕事・・っと・・・・。」
明らかに社会をナメた検索ワードをエンジンに放り込んで、
僕はふむふむと、ガソリンスタンドの夜勤だとか施設警備の夜勤だとかが並んでいる募集のページを見ていたが、なんとも、グッとこない。
変な話、こんなのなら東京の方が多いし、楽しくもなさそうだ。
そしてそのページの片隅に、「ST Office事務補佐、慰安室常駐員募集」という異彩を放つ募集を発見した。なんのけなしにそれをクリックすると、綺麗なオフィスの写真とかわいい女の子たちがたくさんいる写真が並んでいた。
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