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【解剖学】リンパについて小学生にわかるように復習するよ!

そもそもリンパって?

リンパとは「液」のこと。リンパ液ってよく耳にしますが、「液液」ってことなのでナンセンスな言葉なのかもしれません。

リンパ管は血管と並走し、血管から滲み出た組織液等を回収する役割があります。
ちなみに東洋医学における「三焦(さんしょう)」はリンパ管を意図していると考える説があります(決瀆の官)。

細胞はこの組織液を介して毛細血管と物質交換をしています。組織液の大半は毛細血管に吸収されますが、一部はリンパ管に吸収されています。

もしリンパ管の働きが悪いと組織液が細胞の周りに溜まってしまい、結果浮腫み(むくみ)となるわけです。


キーワード4選

解剖学的観点でリンパを説明する上で重要なのは以下の4つ。

  • 静脈角

  • 腸リンパ本幹

  • 乳糜槽

  • 胸管

<静脈角>
身体中を駆け巡ったリンパは、胸管と左リンパ本幹が合流し、静脈角へと注ぎ込まれます。

<リンパ本幹>
下腿や腹部から運ばれた組織液を通るのがリンパ本幹(それぞれ腰リンパ本幹、腸リンパ本幹)です。

<乳糜槽(にゅうびそう)>
乳糜槽は、おへそや小腸付近にあります。乳糜とは乳白色のこと。これは脂肪の色を指します。
字の如く、小腸で吸収した脂肪を貯めておくところですね。
ちなみに生理学の復習をしておくと、脂肪を分解する酵素はリパーゼです。

ここで貯めきれなかった脂肪は再びリンパ管に流れていきます。
巡り巡って血管内へと戻り、血中コレステロールとしてドロドロ血液になる原因となるんだとか。

関節のフシブシが痛む理由

ヒトの関節付近には「リンパ節」と呼ばれるそら豆型の小体があります。大きさは1〜25mmだそうです。

リンパ節の中にはリンパ球の集まるリンパ小節があります。リンパ小節は膵臓、扁桃、腸管では特に回腸でみられます。これを集合リンパ小節といいます。胸腺にはありません。

リンパ節は、リンパ管の途中にあるフィルター(濾過装置)のようなもの。このフィルターでは身体を蝕むウイルスや異物をキャッチしてくれます。

ところで、体調が悪いときは
「関節が痛いのぅ」
「身体の節々が痛い」
「リンパが腫れてる……」

と聞いたことがありませんか?

このリンパ小節ではマクロファージがバイキンさんを食作用で戦ってくれています。だから体調が悪い時って熱が出ちゃうんですね。


脾臓の役割

脾臓とは人体最大のリンパ組織で10cmほどの大きさです。身体の奥の方(胸腔の左上方、横隔膜の直下、胃の後方に隠れ、膵尾部と接する)に位置します。

体表から見ると第10肋骨付近にありますが、表面から触知することはできません。

ここでは赤脾髄と呼ばれる場所で、血液の中から古くなった赤血球を取り除き破壊しています。ちなみに、赤血球は120日ほどで寿命を迎えます。


思春期で一番おっきくなっちゃう○○

ヒトの成長過程で退縮し脂肪となってしまうのが「胸腺」です。
胸腺は胸骨の後方にあり、心臓の前上部に位置します。

この胸腺は骨髄で作られたTリンパ球を成長させ、ヘルパーT細胞や細胞障害性T細胞に分化していく器官です。

噛み砕いて説明すると、バイキンを倒す「Tリンパ球」を成長させてくれる研修施設みたいなところです。

赤ちゃんや未就学児のような小さな頃は頻繁に体調が悪くなりますが、これはまだTリンパ球が色々な病原菌のデータを持っていなくて対応できないため。

色々な病原菌のデータを胸腺で学び、対応できるようになるのが思春期頃だと言われ、胸腺の大きさが最も大きくなります。

思春期までに数々の病原菌を学び終えると、胸腺は役目を終えて退縮していき脂肪の塊になります。カチカチなんだとか。なんか切ない。


国試の過去問を解いてみよう

それでは最後に、鍼灸の国家試験を解いてみましょう。読んでくれてる方ならわかるよ!!

<問>リンパ小節をもたないのはどれか。 (はき第6回-27)

  1. パイエル板

  2. 胸腺

  3. 扁桃

  4. 膵臓







答え

2.胸腺

以上、解剖学リンパ系の復習でした。
自身の復讐になりましたし、もし参考になればとても嬉しいですー。



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