見出し画像

2000円の弁当を3秒で「安い」と思わせる方法

こんにちは。

 会社法では、次のように計算書類(貸借対照表、損益計算書等)の用語が出てきます。

会社法435条 
② 株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書その他株式会社の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。

 ビジネスの世界では、財務三表(損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書)を読めるようになることがすごく重要だと言われていますね。ただ、どれも法律用語と同じように難しい用語が使われているので、かみ砕いて説明すると、あなたの年収からいくら貯金ができてまんねん(ProfitとLossから損益計算書と呼ばれる)、年収が500万円でも奨学金などで借金が1000万円もあるのか(バランスシートと呼ばれる貸借対照表)、すぐに使える現金をいくら持ってるのか(キャッシュフロー計算書)、と表現できます。

 自分が就職しようとしている会社についても、これらの表を読めるようになると、「この会社は増収増益って言ってるけど、借金がどんどん増えてるなあ。将来はヤバそうとちゃうか」ということが言えるようなります。

 このように会計について楽しく学べる本がないかと探してみたら、次のような本を見つけましたので、一部を紹介したいと思います。

1 おばあちゃんが細々と経営する不思議な焼肉店

 焼肉屋に入ったときに「ごめんなさい、今日は肉がないんです」と入店を断られるような、おばあちゃんがこじんまりと経営する焼肉店がつぶれないのはなぜか。シンプルな計算式で表すと次のようになります。

売上-費用=利益(+)

 つまり、アルバイトを雇わず、肉の在庫などがないので、売り上げから費用を差し引いても損が出ないのでやっていけるということなのです。

2 高級料亭が格安ランチを提供するミステリー

 夜は1人1万円からのコースを提供している高級料亭が、昼間に1食1000円のランチを提供しているのはなぜか。簡略化すると次の通りです。

 定期低収入+不定期高収入=利益

 つまり格安ランチで安定収入を得ながら、忘年会などシーズンで変動が大きい夜の高級料理で高収入を得ている。さらに、昼は単価が安いので現金払いが多く、夜は高額な支払なのでカード払いが多くなるということから、昼のランチで現金収入を得ておいてキャッシュを潤沢にしておくという戦略でもあるようです(現金があれば潰れない)。

3 ダイエットとお金を増やすことの共通点

 「ダイエットをしたい」と考えたときに何が一番大事か。それは体重計に乗ることです。

 同じように「お金を増やしたい」と考えたときに一番大事なことは、財布の中身(全財産)をきちんと確認することです。

4 数字でだまされる

 次のような団体に出資してしまうのはなぜか。

私たちは環境活動をしているNPO法人です。1口10万円を出資していただけると、毎週500円を配当金として支払います

「ほんとに毎週500円もらえるじゃないか。そうすると、10口で5000円、100口で5万円になるのか。みんなこれはむっちゃお得やで」と安易に支払ってしまうのです。

しかし、こういった団体は数日後にドロンと消えてしまうことが多いのです。よくよく考えてみると、月で2000円の配当、年間にすると2万4000円、つまり10万円に対して年率24%の配当がつくことになり、銀行の年率0.005%にくらべるとむっちゃ怪しいと分かるはずなのです。

5 弁当が2000円もする?!

 コンビニの弁当をイメージすると、せいぜい500円を出すのが限界でしょうか。しかし、この2000円弁当を安い思わせる方法があります。

➀ この「弁当」という言葉を「駅弁」に変える。

 つまり、意味変をして、同じ土俵で戦わないことが重要となります。これはメールマガジン月額980円がオンラインサロン月額1万円といった場面でも見られます。

② この2000円の駅弁以外に、3000円と4000円の駅弁を横に並べる。

 2000円という駅弁は、普通に考えると高いはずなのに、3000円と4000円の弁当と一緒に並べられると、安いと思ってしまうのです。実際に、お花の値段が25万円だったとすると、普通なら泡を吹いて倒れそうなのに、「結婚式場の費用300万円、結婚式衣装代100万円、花代25万円」と明細に表示されてしまうと、「まっ、いっか」と受けいれてしまうのと同じですよね。

 少しの計算と知識で、世の中の見え方が大きく変わるというのは非常におもしろいですね。では、また。

いいなと思ったら応援しよう!