サウスウエスト航空vsスティーブンス・アビエーション事件
こんにちは。
今日は、航空会社がもつ登録商標を他の航空会社が侵害したという理由で紛争が生じたサウスウエスト航空vsスティーブンス・アビエーション事件を紹介したいと思います。
1 どんな事件だったのか
ユーモアのある会社として有名なサウスウエスト航空は、「スマートに飛ぼう Just Plane Smart」というキャッチコピーで、自社を宣伝していました。ところが、同じ航空会社のスティーブンス・アビエーションは、自社が商標登録している「Plane Smart」を侵害していると抗議しました。しかし、裁判で決着をつけるとなると、莫大な費用と時間がかかることになります。
そこで、スティーブンスのハーワルド会長は、サウスウエスト航空のケレハー社長に「腕相撲で勝負しようじゃないか!勝った方がPlane Smartを使えることにしよう」と持ち掛けました。
すると、サウスウエスト航空のケレハー社長もこれに応じ、「ダラスの対決」が決まりました。
ケレハーは対決に向けて、トレーニング動画を公開するなど、リング外でのパフォーマンスが繰り広げられていました。
3 ダラスの対決
1992年3月20日、ダラスの対決の日がやってきます。ケレハー社長はロッキーのテーマ曲をかけながら、リングにあがりました。
ルールは3本勝負で、2本とったほうが商標権を獲得し、負けるごとに5000ドルを慈善団体に寄付することになっていました。
双方の代理人の試合で1勝1敗となり、3本目にケレハーとハーワルドの直接対決が実現します。
「Go !」の掛け声で始まった、煙草をくわえたケレハー社長と赤いシャツのハーワルド会長との激闘は、ハーワルド会長の勝利に終わりました。
3 ユーモアのある紛争解決
今回のケースで、商標権をめぐるサウスウエスト航空とスティーブンス・アビエーションとの争いは、腕相撲という前代未聞の方法で決着がつきました。しかも、勝ったハーワルド会長は、争った商標をサウスウエスト航空と共有するという解決策を提案することにより、裁判による費用や悪評を避けるだけでなく、試合でたくさんのファンを獲得して、業績を伸ばすことに成功しました。
数ある紛争解決の一つに腕相撲があるということを知っておくと良いでしょうね。
では、今日はこの辺で、また。
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