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コーヒー豆の精製、ウォッシュトとナチュラルの違いについて
コーヒーの果実から生豆を取り出す工程のことを、精製と呼びます。
今回はその精製方法のメインになる2つ、
ウォッシュドとナチュラルについて、作業工程と特徴の違いを書いてみます。
ナチュラル(非水洗式)
ナチュラル精製は収穫した果実を、乾燥させてからコーヒー生豆を取り出します。
乾燥途中で雨が降ってしまうと全てダメになってしまうので、乾期のあるブラジルやエチオピアなどの限られた地域で生産処理されています。
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生豆は黄色っぽい色で、シルバースキン(チャフ)が茶色のまま残っています。
一方の焙煎豆は、センターカット(豆の真ん中の線)が茶色や黒っぽい色になります。
豆によって乾燥度合いが違ったり、欠点豆が混入しやすいので、焙煎後のハンドピックで色づきの悪い豆を取る必要があります。
<メリット>
・設備投資が少なくて済む
・フルーティなフレーバーが出やすい
・酸味が柔らかくなり、甘さやなめらかさも出やすい
<デメリット>
・広い場所と乾燥させる時間が必要
・果実が腐ってしまわないように、定期的にひっくり返す等、しっかりと管理する必要がある
・発酵の度合いがバラバラになりやすく、実をすぐ乾燥させるので未成熟な豆が混入しやすい
・ウォッシュトよりクリアさや後味のキレが劣ってしまう(渋さなどの雑味を感じたり、ナチュラル特有のフレーバーが苦手など)
メリットとデメリットがはっきりしているので、好みが分かれやすいかもしれません。
ただ最近は丁寧に管理されたスペシャルティのナチュラルが色んな国から増えてきていて、ナチュラルの良い所を出しつつ、クリアで飲みやすい豆も増えてきている印象です。
僕自身も上手に精製されたナチュラルは大好きなので、定期的に仕入れていきたいなと思っています。
今のラインナップだと、ルワンダがナチュラル精製で、実はブレンドも3種類の豆のうち2種類がナチュラルなので、特徴としてはナチュラルに近くなっています。
ウォッシュト(水洗式)
ウォッシュト精製は、まず果実をパルパーと呼ばれる機械で取り除いてから、その名の通り水洗場(発酵槽または、ウォッシングステーション)で大量の水に浸けて、微生物による発酵で、生豆の表面のヌルヌル(ミューシレージ)を取ってしまう方法です。
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生豆は緑がかったグレーっぽい色で、シルバースキン(チャフ)が剥がれていて、付いていても黄色っぽい色です。
一方の焙煎豆は、センターカット(真ん中の線)が黄色になっているのが大半です。
豆の状態が均一になりやすいので、煎りムラ(色のバラつき)も少なく、焼き上がりがキレイです。
<メリット>
・ナチュラル精製より時間が短縮出来る
・酸味とフレーバーがハッキリとして、クリアな味わいで後味にキレが出やすい
・それぞれの工程で不純物や欠点豆が取り除かれていくので、精製度がそろいやすい
<デメリット>
・大規模な設備投資が必要になる
・発酵槽をしっかり管理しないと、全ての豆に発酵臭がついてしまう
・大量の水が必要になり、排水による環境汚染が問題になりつつある
ウォッシュトは酸が明るくクリアなコーヒーになるので、スペシャルティコーヒーには最適だと考えられてはいるんですが、大量の水と環境汚染がネックになってしまいます。
そこでウォッシュトとナチュラルの良いとこ取りを目指した、パルプドナチュラルやハニープロセスと呼ばれる精製もどんどん増えてきています。
まとめ
今回は精製の代表となる、ウォッシュトとナチュラルの2つを取り上げてみました。
精製方法で味わいはかなり変わってきますので、最近は同じ豆でも精製が違う、なんてことも増えてきました。
焙煎度と精製を押さえておけば、豆選びの際に好みの味にたどり着きやすくなるかなと思いますので、良ければ参考にしてみてください。
色んな精製の豆を取り扱ってます。良ければネットショップも見てみてください。
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