レズビアンは子どもを産むな？【安全な生殖医療をすべての人に】
不妊治療などのルールを定めた法案の最終案が10月7日に示されたようだ。このニュースはレズビアンの私自身や周りの友人も驚愕する内容であった。
日本でレズビアンとして生きる以上、政治的なことは切っても切り離せない（どんな人もそうだと思いますが）問題で、ただでさえ結婚もできず日常的にも差別的に扱われる中で、首を絞めるような出来事が加速しているようにみえる。
レズビアンを公表して発信しているが、レズビアン代表として意見を聞いて欲しくはなく、むしろ一個人の戯言のように聞いて欲しくてこのnoteを始めた。
政治的な話は複雑だし、感情ものってしまい、議論が難しい。そのためnoteに書くことを避けていたが、あまりにも恐怖を感じたのであくまで個人の意見として話を聞いてほしい。
（ただ、自分の方針と異なるので、下書きに戻すか鍵かけの名目で有料化するかもしれません。）
法案のここ、どうなの？
特定生殖補助医療、つまり第三者の精子や卵子を用いる不妊治療についての法律で、その最終案が示された。
この医療の対象は法律婚の夫婦に限ることになるそうだ。法律婚以外のカップルらに医療を提供すれば禁錮や罰金を科すという罰則も設けられた。
つまり、私たちのような同性カップルが、精子提供を受けるような医療行為を、医療機関を通じてできなくなる。
同性カップルだけではない。事実婚カップルやシングル女性も医療行為を受けられず、実質的に「結婚している男女以外は、子どもを作るな」と言っているようなものだ。
男女間で結婚した子どもしか幸せになれない、不幸だ、みたいな意見に縛られているのか？
もうそれ、時代遅れじゃないの？
母性本能と、レズビアン
幼い頃の将来の夢はお母さんだった。
いわゆる赤ちゃん人形をカートに乗せて歩くことや、おままごとをすることが好きだった。
レズビアンの生い立ちはこちらをご覧ください🔻
母性が性的指向を自覚するよりも先に現れていることから、私は「子孫を残したい、子孫を守りたい」という本能的な部分が強いと思う（母性本能？が強い）
幸せになる＝男性とゴールインというよりは、私は絶対的に守らなければいけない存在を守り抜くこと、自分以外の大切なものに人生をベットすることに幸せを感じるのではないか？
そして、大きくなって知る。
子孫繁栄が行える生殖行為と性的指向が一致しないことに。
つまり、同性同士の性行為では子どもができないことを。
愛する人、レズビアンの絶望
愛する人（女性）との子どもができないことに絶望する。子どもが産まれるという奇跡を、私は達成することができないのか、とボロボロと涙することもあった。
もし、男性を好きになれたら、普通だったら、と思うこともあった。しかし、性的指向は流動的ではあるが、「今から◯◯になります」と変更できるものではない。
そこで希望だった。
精子ドナーを活用し、子どもをつくるレズビアンたちをみて、ああこれなら、望む形に近い。
精子提供、生殖補助医療は希望だった
私にとっては希望の一筋だった生殖補助医療制度は、前述したように医療機関を介してできなくなってしまう。
精子提供をしたくても、医療機関を通じてできないので、SNSを用いるなど非公式な精子ドナーを探す方法しかない。
子どもが成長した際に、医療行為ではなく非公式なやり方で、出産に至ったと知るとどう思うだろう。アングラ化した状態は決して健全ではないし、その子を思うと子どもを産むことはもう考えられなくなってしまう。
多様性が排他されれば、衰退化する
男性と結婚して子どもを産むことがすべて幸せなのか？「普通であること」が幸せなのか？同性カップルの元で生まれた子供は可哀想だから規制するのか？同性婚も認めず、なにが法律婚の夫婦だよ。
不幸と決めつける世間の目が、よっぽど不幸であるということをどうか目を覚ましてほしい。
新しい価値観や多様な文化が取り入られる中で、もう、「今まで通り」ではいれないと思う。もっと、時代の流れに合わせて変えていかなければ、国は衰退していくと思う。
希望を絶望にしないで
この法案が通って仕舞えば、私の「おかあさん」という夢は終わる。私だけではない、多くの同性カップルや法律婚をしていない精子提供を必要とする人たちは、絶望感で前を向けなくなるだろう。
もう、これ以上絶望させないでほしい。
あなたたちの伝統的な家族観を押し付けるな。
生きやすい社会は、ヘテロだけのものですか？
レズビアンが幸せを望んだら、周りは不幸になるんですか？
このまま、このような横暴な法案がどんどん通ってしまうのではないかと不安になる。
お願いします。希望を一つください。
以上、一個人の意見として述べさせていただきました。ご精読ありがとうございます！