はじめての親サンタ

息子が4歳になった今年。初めてクリスマスに本格的なプレゼントをあげることにした。

去年も一応枕元に置いたのだが、去年あげたのはスーパー等々で買えるクリスマス用のお菓子のみ。おもちゃをあげるのは初めてだ。

最初は私が朝早くに置く予定…だったのだが、朝の4時、5時頃だと息子が起きる可能性がゼロではないし、私も仕事の疲れから早く起きられる自信が無い。24日〜25日にかけての夜は夫が夜ふかしするとのことで、置くのは夫に任せることにした。

さて25日の朝。息子よりも早く起きた私。枕元には暗闇の中でもうっすらわかる、とても大きな白い袋。夫はちゃんと置いてくれたようだ。

しかし子どもの頃は楽しみだったし嬉しかったけれど、いざ親になって置く立場になると、何だか違和感がある。起きたら枕元にこんな袋が出現しているって、冷静に考えたら怖くないか?本当にサンタさんが置いていたとして、それって不法侵入なわけで。ひとつの家庭を持っているものとして、たとえサンタさん相手でも勝手に入ってきてプレゼントを置くって、ちょっと許容できない気がする。

その後息子は起きたようで、早速袋に気付いたようだ。夫と二人、寝室で話した後こちらにも袋を持ってやってきた。

「おかあさん!サンタさんからプレゼントがきたよ!」

「そっかー。良かったねー」

私はちゃんと言えているだろうか。棒読みじゃないだろうか。普段、息子には「なるべく嘘をつかないように」と心がけて接しているので、ナチュラルに嘘をつける自信が無い。私の様子の違いから息子が気付いてしまうかもしれない。普段通りを心がけるものの。うまくできているだろうか。

袋を開封し、中身を取り出していく息子。喜んでいるけれど、思ったより喜んでいないような…?予想の喜びが100だとしたら、85くらいに感じる。何となく、突然プレゼントが現れた戸惑いが感じられる気がする。これは私の心が生み出したものなのだろうか。あまつさえ、息子は言った。

「おかあさん、サンタさん、どうやってきたんだろうね?うちはえんとつないよ?」

「え?うん、そうだよね。ないよね。不思議だね」

4歳ー!4歳でそこに気付いてしまうのかー!

「たぶんねー。うえからちいさいのがおちてきてねー。まほうのステッキでえい!てしたらおおきくなるんだよ」

「あー。なるほどねー。そうかもしれないねー」

どうやって家の中にその小さいのが入ってきたのかはわからないが、このサイズがいきなり入ってくるよりは、小さいものならまだ入ってこられるという納得の仕方をしたようだ。

いや、でも、4歳でこれなんでしょう?今後も続けるの?いつまで続けるの?毎年やるって、どこかでバレる自信があるよ?

確かに私もある程度大きくなってきたら「実は親なのでは…?」と疑うようになってきたし、幼稚園くらいの歳でも窓を見て、「サンタさんはここから入ったのかなぁ」と思ったりしていた。大抵の子どもが通る道で、いつかはバレるのだと思うが。

実際にやってみて初めて知った。親サンタって、意外と心がゴリゴリ削られる仕事なんだなぁ。

「子どもが喜んでくれるといいなー!」という純粋なワクワク感だけではいられない。置く時のドキドキ感。開封する時の喜んでくれるかな?という不安。サンタの正体を暴こうとする子どもとの攻防。

なんでもやってみないと本当のところはわからないが、親サンタもそうだった。キラキラした楽しいだけのものじゃなかった。

もちろん、プレゼントを選ぶ時は楽しいし、息子が喜んで使っている姿を見るのも嬉しい。のだが。

子どもに夢を与えるために、これは本当に必要なことなのかなぁ…?真正面からクリスマスのプレゼントはこれだよ!と渡されるよりは、サンタさんからの方が嬉しいのだろうか?

息子が気付くまで、せめて小学校に入るまでは枕元に置こうかな?と思うものの。案外私が耐えられず、早いうちからサンタの正体をバラしてしまうかもしれない。

全国の親サンタさん、もろもろ含め、お疲れ様でした。


ではまた明日。