子ども道
ある日、保育園の帰り道。息子が「あかいところとおるね!」と急に言い出した。足元を見れば確かに、レンガの色が2色ある。そのうち赤い部分だけを通るということらしい。
毎日行き帰りで通る場所なのに、レンガが2色あることを初めて知った。もしかしたら最初の方で一度気付いたものの、その後全然気にせず忘れてしまっていたのかもしれない。
「あか、あか、あか、あか」と言いながら赤いところばかりを通る息子。レンガが途切れる所まで行き、最後は両手を上げて「ゴール!」と言った。今までもなくはなかったのだが。本格的に子ども道を見つける年頃になってきたようだ。
「子ども道」という言葉、ちゃんとした言葉なのかどうかは知らない。10年以上前に何かで読んだ気がするのだが、そこ以外で見かけたことは無い。道草含め、子どもが好きないつもと少し違う道と言えばいいのか、道の部分と言えばいいのか。縁石の上を歩くとか、白線の上を歩くとか、道草でこっちの狭い道を通るとか、要はそういうことである。おそらくほとんどの人が子どもの頃経験したことがある、ちょっと楽しいワクワクする道の通り方。そんな子ども視点で魅力的に映る道(の部分)のことを、「子ども道」とその文章の中では言っていた気がする。が、あまりにうろ覚えすぎるので本当は違う言葉なのかもしれない。とにかく私の中ではそれ以来、そういう道を「子ども道」と言っているのである。
よく「白線以外は全部マグマ(崖)」という言葉を聞いたりするが、私自身は子どもの頃、自分が通る道の外側をそんな危険な場所設定にしたことは無かった。息子も今のところただ自分の気になる部分を歩くだけだが、今後そういう設定が追加されていくのかもしれない。
一度レンガに気付いた後は、毎日のように赤いレンガだけを踏んでその道を通っている。実際には赤と言いながら赤以外の所も思いっきり踏んでいたりするのだが、本人が楽しければそれで良いだろう。私はもう1色のレンガだけを踏みながら進む。変な斜め歩きになるのだがそれもまた良し。
子どもの頃って本当、こういうちょっとしたことが楽しいんだよなぁ。魅力的に見える部分が危ない時もあるのでそこは注意するが(車道との境の縁石とか)、これからもどんどん見つけてどんどん楽しんでもらえたらなと思うのだった。
ではまた明日。