バターのイメージ
最近、よく本を読んでいる。
その中に「軟酥(なんそ)の法」というものが出てきた。
禅の修行を頑張りすぎたがために体調を崩した人向けに開発されたものだとかなんとか。瞑想に近いものなのだろうか。
本当はその名の通り、「軟酥」というものをイメージするそうだけど、現代人の我々だとバターが近いそうな。
座って(寝転がって)、呼吸を落ち着ける。頭上(額)にバターを乗せて、体温で溶けていくのを想像する。更に溶けたバターは身体の隅々まで染み渡る。
そんな想像をするらしい。
本にはそのくらいのことをサラッと書いてあるだけだった。検索してみると、「身体の悪いものを流すイメージでやってみる」的なのも出てくる。
結局大事なのは「イメージ」で、バターが染み渡って何かいい気分になったらいい、ということなのだろうか。
寝る前にやったら、寝付きが良くなりそうかな?と思い。実際に何度かやってみた。
しかしこれがまた。難しいのである。
額に乗せるイメージはバッチリ。それが溶けていく様も、その溶け方や感触も、割とリアルに想像できる。その後身体に染み込んでいくイメージもできる。
ただ、ここから。身体の中を染み込んで進んでいくのが、なかなか上手くいかないのである。
額という場所から離れれば離れるほど、ぼやけていくというのだろうか。バター濃度が薄くなるというか、どこまでいったかわからなくなるというか。その効果を身体の末端まで維持するイメージが続かない。
一応足先までいくものの。「何かぼんやりしてるな」と思ってしまう。そしてこれは全てイメージの話なので、自分がこう思ってしまうとそれはその通りになっているのだと思う。
肝心の寝付きはというと。少なくとも悪くはなっていない。どちらかというと良くなっているかな?という感じ。
これからもちょこちょこやってみたいなと思う。
なんせバターが溶けて染み込んで、その想像をするのが面白い。
昨日の晩ごはんにはバターを使ったけれども、その姿を見て何だかニヤリとしてしまったのだった。
ではまた明日。