自分のものにする
生クリーム(無糖の何もしてないやつ)をもらった。
何に使おうかなーと思う。
グラタンとか、かぼちゃのスープとか、ご飯系のものには使うとして。それでもまぁ、余るだろう。残りはどうしようかなー。お菓子系かなー。
とりあえず家にあるチョコと混ぜて適当にガナッシュを作った。ついでにまだ残りそうな生クリームに砂糖を入れて泡立てて。先ほど作ったガナッシュと混ぜてみた。冷やしてみれば良い感じに固まった。美味しかった。
そういや前にピスタチオのペースト(サンプル)ももらったのだよな、と、まだ残りそうな生クリームと合わせる。こちらも良い感じに固まった。
作りながら、食べながら。これが「自分のものにできている」ということなのかなぁとぼんやり思った。
今回作るにあたって、私は何も調べていない。もちろん、それぞれに計量はしているけれど、その根拠となる数字は「何となく」である。
このチョコで作るガナッシュなら何となく、まぁ、このくらいの割合でいったらいいかなー。ガナッシュと合わせる生クリームの量はこのくらいで、このくらい立てて。合わせる時のガナッシュの温度はこのくらいで。
ピスタチオは合わせるとしまってくるから、まぁその前の生クリームはこのくらいかなぁ。
全部ぜんぶ、自分の経験を根拠に何となくやってみただけである。
だけどそこに不安はないし、大体予想通りのものが出来上がる。その「不安のなさ」に「あぁ、私はこれを自分のものにできているんだな」と感じたのだった。
例えばの話。これを全然知らない人が一からやろうとしたら、大変だろうと思う。
まず配合がわからないから調べるだろうけど、おそらく書いている場所によって配合は微妙に違うだろうから、その時点で「どれがいいんだろう?」って迷う。更に作業1つ1つでも、「本当にこれでいいんだろうか?」って不安になるだろうし。気をつける場面も書いてあることでしか判断できないから、上手くいかない可能性もそれなりにあると思う。
とにかく調べることが多いし、知らないことが多いし、常に不安がつきまとう。それが「初めてのこと、慣れていないこと」なのだろう。とても大変である。やる気が、気力が大量に必要だ。
今回の私の作業はとても楽で。それこそ仕事が終わって帰ってきた後でも、大して気負わずさらーっとできるものなのである。それは、私が10年くらいかけていろいろ経験してきたからで。何度も目で見て実際に作って。それを自分のものにできているからなのだと思う。
「自分に落とし込める」って強いなぁと改めて思ったのだった。
もちろんそれは簡単なことではなくて、それなりの回数を経験して、試行錯誤して、そうして段々身につけていくものなのだろうけど。できるようになれば、それは自分にとって「気負わずすんなりできること」になってしまう。
きっと人それぞれ、そこまで落とし込めるものには違いがあるのだろうけれども。誰でもそれはあるし、これからも作っていけるものなのだと思う。
自分がこうしてお菓子系のことを落とし込めているのは何だか意外で、面白くて。それと同時に、これからどんなことを自分のものにしていけるのかなーと思ったのだった。
ではまた明日。