私は、人の顔を覚えるのが苦手である。

全然覚えられないわけではないし違いはわかるので、相貌失認ってほどではないと思う。でも私くらいの症状でもそうだと書いてあるところもあり、よくわからない。ふと、「顔に興味が無いだけでは?」と思ったので、今日はそんな話をしたいと思う。


まず、顔が覚えられないとどう困るのか。フォロワーさんも書いていたけれど、映画の話がわからないのが一番困る所かもしれない。

主人公やヒロインの顔すら覚えられないのだ。出てきた人が誰かわからなくて、話がわからない。やっと流れから「あ、この人はさっきのあの人か」と思っても、場面が変わるとまた一からやり直し。全然話に入っていけないのである。

それでも日本人は見慣れているから違いが認識しやすい。洋画になると本当に駄目で、誰が誰か全然わからない。純粋に作品を楽しめないのである。

あとは、新しい場で顔を覚えるまでが困る。一番困ったのは大学だろうか。席が決まっていないから、前日に話した人がその人かどうか全然わからない。「おそらくそうなるだろう」とはわかっていたので話している間に頑張ってその人の顔を覚えようとしたけど、結局1日では無理だった。

何で私はそうなのか。普段人と会った時にあんまり顔を見ていないというのはあると思う。大学時代、頑張って見て覚えようとしても駄目だったわけだけど、いつもはそれ以上に見ていないわけで。「顔を見る経験」が人よりも少なくて、だから違いに気付きにくいというのはありそうな気がする。


話は変わるけれど、私は昔から、芸能人(の見た目)にあんまり興味が無い。去年だったか写真屋さんのオマケで誰かの写真をもらって「これ誰だろうね?」と言ったら親や妹に驚かれた。どうも嵐のメンバーだったらしい。それくらい興味が無い。

世間で「かっこいい」「きれい」と言われる芸能人を見てもピンとこないというか、「言われたら整っているのかも?」くらいにしか感じない。

たまに夫が芸能人や野球選手やサッカー選手の画像を出して「この顔をどう思うか?」を聞いてくるのだけれど、とても答えに困る。よーく観察して、「濃い顔だと思う」「目の距離が近いと思う」「誰かに似てると思う」そんな答えしか出せない。夫が聞きたいのは「かっこいいかどうか」なんだと思うけど、人の顔を見て「かっこいい」って思うことが無いのだよな。


そもそも自分からしっかり見ないし、それに対する感想も特に無い。これってつまり、私が人の顔にあんまり興味がないということになるのではないだろうか。

考えてみたらそうなるのもわかるというか。「その人と付き合うかどうか」に「顔」って必要な要素じゃないのである。

その人がどんな顔だろうと、同じクラス、職場なら付き合っていくしかない。全然性格が合わないのに「顔がいいから知り合いになっておこう」なんて私はならない。こんな私にも「苦手な顔」は存在して近付きたくない人はいるのだけれど、それは顔のつくり自体が苦手なのではなく、顔からにじみ出る雰囲気が苦手なのだと思う。

つまり私の中で人を判断するのに大事なのは、「雰囲気、性格」とかで「顔」じゃないので、昔から興味が無いのではないかと思うのだけれど。どうだろう。


これが本当に合っているのかはわからない。「認識できないから興味がない」のか「興味がないから認識できない」のか。どちらが先かもちょっとわからない。ただとりあえず、そんな仮説が出てきたから書いておくのである。



ではまた明日。