『まわるおすし』に思うこと
最近、息子が寿司を好きなので。寿司に関係する絵本をいくつか買おうと思った。その中の一冊、『まわるおすし』(長谷川義史、ブロンズ新社)が届いたので早速読んでみた。
月に一度のお父さんの給料日に皆で回転寿司を食べに行く話だ。この家独自のルールに則って皆それぞれに寿司を食べていく、ノリが良くて楽しい話である。
話自体は面白いし、試し読みである程度内容はわかっていた。その時点から思っていたのだが、実際に読んでやはり思う。
「一回も回転寿司に行ったことのない息子には、ちょっとイメージし辛いかもなぁ」と。
寿司が回るレーンがあり、その上に寿司の乗った皿があり、回っている。それ自体は映像で見たことがあるので知っていると思う。けれど、実際に回っているところを見たわけではないし、お皿によって値段が違うとかも、「そういうものだよ」と言うことはできても、実際に経験していない。
絵本のノリで面白さは感じても、お父さんのポーズとか、それによって皆が取る皿が変わるとか、それを本当にわかって面白いと感じるための経験は不足しているのだろうなと、そう感じた。
今の世の中、外食に行くこと自体ためらってしまう。もっと前に行っておけば…!と言っても、大丈夫だった当時息子は2歳である。まだ刺し身は食べさせていなかった。「回転寿司は3歳を過ぎてからだな」とぼんやり思っていたら気軽に外食に行けなくなり、今に至る。回転寿司のテイクアウトは何度かしたことがあるけれど、回っているところは全然見ていない。そもそも今の世の中、お店に行ったところで回っていないのではなかろうか。
買い物ひとつとっても、本当は息子と一緒にいろいろ見て周りたいし、お菓子コーナーで予算の範囲で選ぶという経験もして欲しいし、何なら店員さんにお金を渡すという経験もして欲しいのだ。だが、そもそも買い物に連れて行くことすらためらわれてしまう今の世の中である。
人が少ないところで外で遊ぶとか、できる限り息子の経験を奪わないようにとやってきているつもりだけれど、やはりどうしても制限はかかるし、私が子どもの頃気軽にしていたことを経験させてあげられないなと感じることはある。
絵本を読んで改めて、あれもこれも経験できてないなぁと思ってしまった。
それでもその中でやれることをやるだけなのだが、さてどこまでできるかな。
とりあえずこれからスイカの季節だし、『だめだめすいか』を読む度に言う「スイカの種飛ばし競争」は今年やりたいな。
ではまた明日。