かちかち山

今日の話はタイトル通り『かちかち山』。なので、読む人によったらちょっとハードな展開かもしれないです。



夫が『かちかち山』を借りてきた。図書館で「昔話も借りてきて欲しい」とリクエストしているので、それに沿った形である。自分で言ったし借りてきてもらえるのは有り難いものの。「ついに来てしまったかぁ」と思ってしまうのも正直な所だ。

『かちかち山』は私も子どもの頃読んだ、定番の昔話である。簡単に言うと、たぬきに殺されたおばあさんの敵討ちを、うさぎがする話である。

復讐の中で、たきぎを背負ったたぬきの背中にうさぎが火をつける場面がある。

「このかちかちという音は何だい?」
「ここはかちかち山だからね」

実際は、うさぎが火打ち石を使っている音なわけだが、まぁそれはいい。


私が苦手としているのは、前半。おばあさんが殺されてしまう場面である。そこもできれば読みたくないけれども、その後が一番苦手な部分で。自分が鍋にされそうだったからか、たぬきはおばあさんを鍋にしてしまうわけである。

昔話は、本によって微妙な違いがある。

今回借りたのはこの本で

おばあさんが殺され、鍋にされてしまうものの、それをおじいさんが食べることは無かった。

話によったらおばあさんもたぬきも無事バージョンもある。でも『さるかに合戦』とかもそうだけど、「みんな仲良し幸せ路線」に変更するよりは、元が死んでしまう話ならそのままでいいのでは派な私なのである。

だからこの本は、『かちかち山』としては私の理想にとても近い。おばあさんは死に鍋にされてしまうけれども、おじいさんが食べるまではいかない。私の中ではいい塩梅なのだ。

ただ、それと実際に読み聞かせするのとはまた別で。息子が「読んでー」と持ってくる度、どよーんとして「読みたくないなぁ」という気持ちはどうしても出てきてしまう。

息子に「こんな話がある」ということは知って欲しいし。息子が「読みたい」という気持ちは尊重したい。でも、できれば読みたくないし、読んだら辛いしもやもやする。

息子が自分で読めたら一番いいのかもしれないけれども、現状、まだまだ平仮名が「読める」という段階には無いので、持って来られたら読む日々。


今までにも、「泣いてしまって読めない」とか「息子は好きだけど、私はイマイチなんだよなぁ」とか、読み聞かせする中ですんなり読めない本はいろいろあった。ただ、『かちかち山』はそれらとはまた違った感じで「読みにくい」本であり。とりあえずこんな経験もあったということを書き残しておこうかと思ったわけだ。


その他。今回借りてきた中で、個人的にツボだったのはこの本。


たぬきの宅配便に「わたがし」の宅配をお願いしたら「わがし」が届けられたりする本である。息子にはまだちょっと難しかったもよう。

個人的に、この宅配便の会社に貼られているポスター等々がツボで。

たぬき便なら

「たぬきねいりきんし」
「た はぬくけど て はぬかない」

きりん便なら

「スタッフぼしゅうちゅう きりんっとしたかた」
「くびをながくしてまってる あのひとへ…」

等々。ダジャレというか何というか、ネタの宝庫なのである。本編よりもそちらが気になってじっくり読み込んでしまった。


今回、こういう本もあり


絵本と言ってもいろんな本があるな。息子にはいろんな本に触れて欲しいなと思う今日このごろなのである。



ではまた明日。