幻のスワンちゃん1
「ぼくね、白い鳥のに乗りたいんだよ」
ある日息子が言った。
「白い鳥の」というのは、そのまんま白い鳥、白鳥を模したもので、中に入れてキコキコ足を動かして進む的な。つまり足漕ぎボートのことである。
「あー。なるほど。憧れるよねー。お母さんも子どもの頃乗りたかったわー」
と相槌を打ちつつ。機会があれば乗ってみよう。そのくらいに考えてその時は適当に答えていた。
それから一月か二月かが経ち。
夫と休みが重なった。どこか行こう。どこに行こう?
そういや息子がスワンちゃんに乗りたいって言ってたよ。
スワンちゃんと言えば10年くらい前の話だけど、岡山城に行った時にいたよ。今もいるっぽいね。
というわけで、行き先は岡山に決定!
電車に乗って海を渡ったのだった。
前日は雨だったけど、当日はぼちぼちいい天気。マリンライナーの窓から海を見つつ進む。やっぱり私、何回通ってもこの景色が好きだわ。
大都会岡山。岡山城まではちょっと遠いので、行きは路面電車に乗ろうか、という話になる。
と、乗り場には謎の電車が。「チャギントン」というものらしい。料金が高くてびっくりしたけど、どうも乗車料金+他の路面電車の1日乗車券+どこかのミュージアム券もついての価格らしい。電車好きなら乗ってみてもいいのかも。
今回の我が家の目的はスワンちゃんなので、普通の路面電車に乗って向かった。
路面電車は数年前の函館以来だろうか。何気に息子はこの年(5歳)でいろんな乗り物に乗ってるよなぁと思う。
さて着いた岡山城近辺。目的のスワンちゃんがいる…!
ちなみに一緒にいるピンク色はフラミンゴではなく、桃である。さすが岡山。桃太郎にちなんで桃ボートもあるようだ。
そしていざ!ボートに乗ろうとしたのだが。
「すみません、今日は流れが速くてボート出せないんですよ〜」
……。
何だってーーー!?
店員さん曰く。
岡山城のお堀は普通の川。前日の雨で上流のダムが放流しているらしく、川の流れが速いらしい。だからボートは出せないとのこと。
当日晴れて良かったね、とのんきに思っていたけどまさかの展開…!
皆さん、岡山城でスワンちゃんに乗りたい時は、前日の天気も気にしましょう。間近に見た川の流れ、確かに速かったです。
そんなこんなで、せっかく岡山まで来たけどスワンちゃんには乗れなかった。息子よ、またの機会に乗ろうではないか。
時間なのでその後の話は明日に続くのであった。
ではまた明日。