天空の城ラピュタを歩く「鋸山バリコース」2021(千葉県)
日 時:2021年12月11日(土)
今回、千葉県は鋸山です。地元、鋸山など登山道整備でボランティア活動をされている特別ガイドに案内をお願する鋸山の第2回目となります。
鋸山は、観光客向けコースはロープウェイで登り、拝観料を払い日本寺北側の石仏を見たり、「地獄のぞき」と言われる展望台を訪れるのが中心で、山の東側、海側の一角がそれにあたります。「昔、家族旅行で行ったことあるよ」と言われるのは殆どがこの観光コースだと思います。これに対して登山コースは山の西側、鋸山山頂を目指したコースで、①関東ふれいあいの道、②車力道、③安兵衛井戸と沢、④金谷元名線・竹岡線林道コースの4つのコースがあります。①②が一般的に登られるコースで観光協会推奨コースです。③④のコースは一昨年の台風で被害を受け通行禁止となりました。ボランティアの方々のご尽力でかなり修復は進んでいるようですが、まだ完全には復旧しておらず、通行止めのバリルートとなっております。バリルートとは、バリエーション・ルートのことで地図では実線ではなく破線で表され、廃道になったり、踏み跡も明確ではなく、道標などもない危険なコースのことです。今回は、台風後に通行止めになり復旧が進みつつある③安兵衛井戸と沢コースを通る予定でした。しかし、先週、今週と週半ばに大雨が降りましたので、ガイドさんが直前に安全確認してくれたところ、ぬかるんでおり滑りやすく「通行は危険!」と判断し、当日は、通常の車力道コースと別のバリルート(ラピュタルート)を選ぶことにしました。
まずは観光協会推薦コースの②車力道コースからの登山です。ここは石が敷詰められた道で、当時、男性が切り出した石を女性が車力で運んでいた石畳の道です。石畳には、何年にも渡り運んだであろう車力の轍(わだち)がついておりました。車力道を越えると、最近、一般公開されるようになった「猫丁場」の猫彫刻や♥マークを見学しました。昔の職人がお遊びで壁に猫の姿を彫ったものです。♥マークは地元の芸術家が観光誘致目的でインスタ映えするようにとごく最近作成した物です。昔の彫刻と今の彫刻が並んで鑑賞できる場所です。そこから長い急な階段を上り終えると「地球が丸く見える展望台」到着です。快晴で富士山も見ることができました。ここで昼食をすませ、昼食後は、吹抜洞窟・岩舞台(石切作業場跡)などを経て、バリルートのラピュタルートとなります。これはジブリ映画「天空の城ラピュタ」の空に浮かぶ島のそびえ立つ壁に似ているところから「ラピュタの壁」と呼ばれるようになり、専用の展望台もあり人気コースですが、これを壁の上からではなく、壁に近づいて下から見上げることができる通行不可のバリルートです。登山道整備で鋸山のルートに精通したガイドが案内してくれるので可能なわけで、普通の方は決して真似しないでくださいね。その後も、垂直に切り立った岩の壁に沿った道はまるでマチュピチュやジャングルにたたずむインカ帝国遺跡のようでした。更に、石のトンネルくぐり、ロープで垂直に降り立つ崖や、秘密の見晴台などのアトラクションも多数あり、ワクワクのバリルートでした。その後は、通常の登山道に戻り、長い石段を下って駅まで戻りました。
解散後は、ガイドさんが夕日の名所に案内してくれるので見学に行く組と帰宅する組とに分かれてそれぞれ楽しみました。管理人の私は解散後、特急電車の時刻に間に合いそうでしたので、車窓から夕日を眺め我慢しました。朝はローカル列車を何度か乗り継いで3時間弱かかりましたが、特急では1時間程度で爆睡して帰ることができました。しかし、浜金谷名物の黄金アジフライを食べ損なったのが心残りです。
今回は、鋸山の複雑に絡み合う昔の作業道を短時間で効率よく見て回れたのも、地元で鋸山に精通しているガイドさんが、適切なルートガイドしてくれたからこそできた楽し登山でした。ありがとうございました。また近いうちに千葉の山を企画しましょう。楽しみにしています。