危険なバリエーションルートで行く「鋸山」(千葉県)
登山日:12月8日
今回は鋸山です。「あっ、観光で行ったことある!」との方もいらっしゃるでしょうが、今回は登山です。しかもバリエーション・ルート(登山地図で登山道ではなく、破線で記された不明瞭な道のこと)です。
鋸山は、観光客向けコースはロープウェイで登り、拝観料を払い日本寺北側の石仏を見たり、「地獄のぞき」と言われる展望台を訪れるのが中心で、山の東側、海側の一角です。「昔、家族旅行で行ったことあるよ」と言われるのは殆どがこの観光コースだと思います。登山者が「登ったことあるよ」と言う登山コースは観光コースより西側、鋸山山頂を目指したコースで、①関東ふれいあいの道、②車力道、③安兵衛井戸と沢、④金谷元名線・竹岡線林道コースの4コースで、①②が一般的に登られるコースで観光協会推奨コースです。
我々は、まず観光協会推薦コースの②車力道コースからの登山です。ここは石が敷詰められた道で、石を運ぶ車力の轍がついており、当時の石切場の反映を偲ぶことができます。そこを進んだ所で脇道にそれます。バリルート(バリエーションルート)に侵入です。地図には載っておらず、もちろん道標などはなく、踏み跡も不鮮明でした。昔の石切職人さん達の作業場に続く道だったのでしょう。登山道そのものは初心者レベルですが、道迷いしやすく、足場も悪く、切り立った崖もあるため、登山としての総合点ではリスクが高いコースです。そのため、準備なくして安易に踏み込んでの事故が多発しており、死亡事故もあって推奨はしておらず、むしろ禁止しているようです。よって途中に道標もありませんので、十分な準備なくして安易に踏み込まないでくださいね。
しかし、このルートならではの素晴らしい場所があります。垂直に切り立った岩の壁に沿った道はまるでマチュピチュやジャングルにたたずむインカ帝国遺跡のようでした。更に、石のトンネルくぐり、ロープで垂直に降り立つ崖や、切り立つ石壁登りなどのアトラクションも多数あり、ワクワクのバリルートでした。いつもは「山頂まであとどの位だろう?」なのに「えっ、もう山頂?」てな感じでした。
その後、一般ルートに戻り「地球が丸く見える展望台」で昼食です。ほんと、ここからの眺望は水平線が丸く見えます。昼食後は、吹抜洞窟・岩舞台(石切作業場跡)などを経て、ラピュタの壁を見てから下山しました。