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真冬の北海道歩き旅27 【紋別の街巡りとアザラシさん】

前日までのあらすじはコチラ!山賊焼美味かったぁ…↓

53日目:お宿で寝てぇ

朝の5時半に起床、日の出と共に出発。気温は-13℃とまた冷え込んだ。お世話になったお宿「八千代館」さんを発つ時、この宿のご主人さんとお話しすることができた。なんでもこの先、岐阜という地名があるらしい。開拓時代に岐阜から移り住んだ人が名付けたらしく、北海道ではそんな感じで本州の地名があちこちに存在するようだ。
宿から出る際、ご主人さんが激励にとコカコーラをプレゼントしてくれた!ありがとう…!

八千代館のご主人にいただいたコーラ!キンキンだ!!

宿から出発し進むと、太陽の光が少しずつちらついてきた。すると、太陽の上の方から何やら縦に伸びる光の筋が見えた……

「太陽柱だ!!」

日の出間近で縦に伸びる太陽柱。初めてみる現象で、気象職についてた自分としてはだいぶ興奮した。

太陽柱(サンピラー)は、北国などの極寒な地域でしか見ることのできない現象。
日の出もしくは日の入り・無風・晴天・-10度を下回る寒冷、この条件全てが揃った時に起きる現象だ。朝からそんなレアな現象に出会えて嬉しい。
何かいいことでも起きるかなぁ〜…と思っていたら。

なんてこった…

サングラスが壊れてしまった。経年劣化のようで、直せそうにない…でも雪道で晴れていると目が焼けてしまうので、片耳だけでもかけれそうだしこのままかけて進む事に。

黙々と歩いていると、前からやってきた車が側道に停車した。なんだろ…と思い先へと進むと…
なんとその方、昨日「山賊焼」でお会いしてホタテのお寿司をくださった方のお母さんだった!出先から興部に戻る途中、わざわざ僕らのところに来てくれて、しかも差し入れまでいただいてしまった。中身を除くと、なんと貝柱じゃないか!!!!
「食べ飽きちゃってるから…どうぞお」と渡してくれたその貝柱は、調べてみたら2000円もする貝柱のボトル詰め。そして温かいお茶まで。もう嬉し過ぎる、お返ししたいけど渡せるものがない…ありがとう〜〜〜!と僕らが涙目になりながらも、彼女はその場を後にした。

いただいた貝柱と、奥に見えるお母さんの車。ありがとう〜〜〜!
太陽が眩しい。

そんなこんなで、紋別市の市街地に到着。ここまで街なのは200キロ前の稚内市ぶりだ。

道が広くなった。山岡家もある。紛れもなく街だ。

さてまず行くのは…

ケンタッキーにてデザートを食べる。このビスケットが大好き。

ケンタッキー!絶対に行くと決めていた。昨日から鶏肉三昧だなぁ。
そして銭湯「もんたの湯」。

紋太の湯。お風呂も休憩所も居心地が良くて癒された。

湯加減、最高。疲れも吹っ飛ぶほどに気持ちよかった。大きなお風呂に入るのも浜頓別ぶりなので感動もひとしおだ。
そして宿なんだが…なんと紋別、どこも宿が空いていない。なんでも近々「流氷祭り」と呼ばれる催しがあるらしく、それの設営だかで仕事に来ている人がたくさんいるらしい。そのせいで自分達は街中の公園でテント泊を余儀なくされてしまった。まったく…

宿で寝てぇーーーー!!!

公園の斜面に無理やりテントを設営。お散歩する人もちらほらいて少々落ち着かない…

54日目:紋別観光、見どころ満載

6時ごろに起床…斜面に無理やりテントを立てたが、意外と直立してくれていたようだ。ゆっくりとしたいところだが、ここは街中の公園。すぐテントを撤収して少しお散歩する事にした。
ここ紋別の市街地には、中央の丘の上に紋別公園というのがある。頂上に登ると展望台や広場があり、そこでまったりくつろいだ(寒い)。

朝の紋別。オホーツク海と街がよく見える
公園にはお散歩する人たちもちらほら。

9時半になったところで、すぐ近くにある【紋別市立博物館】に行ってみた。これもまた面白い博物館で、主に門閥周辺で採れた金山の開山から閉山までの経緯や、近海で獲れる海産物とその漁法、そしてこの地にもかつて走っていた鉄道の資料、過去に住んでいたアイヌや縄文人の遺跡資料と、内容は想像の1倍以上の濃さで驚いた。これは…丸1日かけて見回りたかったなぁ。

紋別市立博物館の様子。わかりやすく展示してあって、とくに漁法の紹介が面白い。
過去に走っていた鉄道の資料。映画「鉄道員」で観たことのあるものもちらほら。

資料館を見終わると、なんとか取れた宿「紋別プリンスホテル」に荷物をおかせてもらい、サブザックでお出かけ再開。向かう先は紋別の南側にあるオホーツクとっかりランドだ。この周辺には様々な施設があり、観光するには最適な場所だ。
まずは紋別に来てお目当ての子を見に行く。その子とは…
アザラシである!

可愛い…アグくん。ツルツルのプニプニ。

ここには【アザラシシーパラダイス】という、アザラシの保護・観光施設があり、見学や餌やり体験が出来る。貴重な経験だと思い、早速餌やり体験をしてみた。

飼育員さんを見つめるアグくん
相方さんも体験してみる。伏せるアグくんも可愛い。

芸を一つ指示して、できたら餌をあげる。これを2回行った。指示をすればしっかりと可愛い芸を見せてくれる。そうしたら魚の切り身を頭の上に持っていくと口を開いて待つので、そこに落としたら丸呑みしていた。
それにしても…

はーーーっ可愛い。
なんだこの可愛い生物…。

と思っていたが、このアグくんじつは36歳なんだとか。この歳になるとアグくんというよりアグさんだ。
ここオホーツクとっかりランド周辺には他にも見所がある。過去に使われていた砕氷観覧船の初代ガリンコ号が置かれていたり、

初代ガリンコ号。現在は2・3号が運行中。なんとも男の子の心を鷲掴みにする見た目だ。

オホーツクタワーと呼ばれる施設があって、そこまでの海辺の通路を散歩してみたり、

防波堤でもあるこの通路。稚内の「ドーム」を彷彿とさせる構造だ。

近くにある道の駅で、でっかいカニの爪オブジェがあるのでみてみたり。

名物のカニの爪オブジェ。北海道を旅するライダーたちは必ずここに寄る

見どころはいっぱいある。ここだけでも丸一日は楽しめそうだ。
紋別、最初は宿が取れずにいてチクショー!とか思っていたが、観光は充実していたのであった。

55日目:のんびり誕生祭

この日は出発する予定だったが、昨晩から少し体調が悪くなってしまい、少し不安なので連泊することに。行程一つ一つが厳しいので、体調管理には徹底したいところだ。
夕方までホテルでゆっくりと時間を過ごし、外を出た頃には夜になっていた。この日は少し気になっていたお寿司屋さんに入ってみた。

夜にひときわ賑わうはなます通り
寿司屋のホタテ握り。プルプルでミルキー

やはりホタテは美味い。地元で獲れてた新鮮なホタテなのでなおのこと美味しい。他にも色々と食べたが、オホーツクはホタテが1番な気がする。
お寿司を食べ終わったら次は洋菓子屋さん。実は相方さん、昨日が誕生日だったのだけど、スケジュールが詰め詰めだったのでケーキを食べる余裕がなかった。そして今日も連泊する事になったので、体調も良くなったし食べるか!となって現在に至る。
玄関にはなんと野良猫さんがいた。しかもこの奥にもう1匹。雪国でも逞しく、可愛く生きる猫たちに癒される。

洋菓子屋さんの入り口で微かな暖をとる野良猫さん。丸々としている。こんな雪国でも野良猫は生きているんだなぁ

そうして買ったケーキは1個ずつがでかい!そしてリーズナブル。この3つで1400円なのだから嬉しい。ホテルのお部屋で誕生日をお祝いしたのであった。

洋菓子屋さんで買ったケーキ!スプーンをもらいそびれたので、自前のカトラリーで食べた。

そして明日からは網走に向けて進む予定。これでようやくこの北海道旅の半分の工程を終えることとなる。でも正直なところ、

「え…もう半分!?」

とも思える。長くもあるが、あっという間にも感じたここまでの700キロ。
旅の後半も、1日1日を大切に送っていきたい。

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